狼青年とは〇〇しない…~Ryosuke.Y~ (ページ20)

今日:8 hit、昨日:2 hit、合計:50,743 hit

20 ページ20

お風呂から上がると
寝室では青年がぐっすりと寝ていた。

ドライヤーや物音がうるさかったはずなのに

近くによると
22歳とは思えないくらい、幼い顔をしていた。

顔にかかった前髪をかき分けると、眉がぴくっと動いた。

慌てて手を離し、私はスマホを持ちベランダへと出た。

小さい椅子に座り、風に当たりながら目を閉じる。
火照った体に、風が冷たくて気持ちいい。

スマホに電源を入れ
大事なメールをチェックする。

夜23時に、毎日必ず全部目を通した。

もちろん、今日会った慧とのやり取りも見ている。

見終わると、体の力を抜きまた目を閉じる。

瞼も重くなって、睡魔が襲ってきた。
今日は早めに寝るか…。

だらーっとしながら体を伸ばすと
ふと見ると、後ろから青年が私のもとへ歩いてきた。

気配がなさ過ぎて、びくっと体が震えた。
いつの間にか起きていて、小さくあくびをする。

足音一つもしないから、私の心臓がもたない。

青「たばこ…吸ってもいい？」

青年は、ポケットからたばことライターを取り出し
私が返事する前に、カチッと火をつけてたばこを吸っていた。

てっきり
彼はスマホだけで、他の荷物はないと思っていたのにどこから出てくるのか…。

眠そうに瞼をこすると
青年は不意を突きキスをした。

たばこの苦い味がし、舌をベっと出すと青年は笑っていた。

青「吸う？」

青年は私に、吸いかけのたばこを差し出した。