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ぼーっとしている青年は、起きても何も反応はなく
私をじっと見て、一定のリズムで瞬きをするだけだった。
現実と夢の区別がついていないのだろう。
すると
急に彼は腕を掴み、体を引き寄せた。
髪に手を通し、私の体の部分を上から下へとなぞっていく。
つんっと、唇に手が触れた。
目が合い首をかしげると、青年は目を泳がせた。
やっと、夢じゃないことを自覚したのか
私の体は離される。
青「っ…悪い」
焦った様子で、顔を真っ赤にしていた。
私はなんとも思ってないけど、青年に触れられた所が熱い。
「…入る?」
鍵を開けると、青年は小さく頷いて一緒に中へと入った。
突然出ていって、突然現れて帰ってきて
いったい、どこをさまよっているのだろう。
でも、たばこの匂いが新しくついていた。
「いつからいたの?」
そう聞くと、青年はふてくされている様子で
可愛げのない反応をした。
寝室へ向かい、持っていた荷物を全部床におろすと
後ろから青年の手が回ってきて抱きしめられる。
肩に顔を埋め、大きく深呼吸をしていた。
「…どうしたの?」
青「…俺をここにおいてほしい」
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作者名:七瀬 | 作成日時:2020年11月27日 22時