狼青年とは〇〇しない…~Ryosuke.Y~ (ページ15)

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午後20時

私のアパートからは遠い繁華街
営業してる店が多く並び、いつも光が明るい場所だった。

パンツスタイルの服装で歩き、街中に溶け込む。

目立たない、隠れ家的な小さなイタリアンのお店に入った。

入ってすぐに辺りを見渡すと、ガタッと1人席から立ち上がった。

慧「A、こっち」

私の名前を呼んだのは、伊野尾慧。

インテリ関係のお仕事をしていて、毎日多忙。
6月でも夜は冷えるため、トレンチコートをおしゃれに着こなしていた。

待っていた彼の席へ向かうと
私の席の椅子を引き、座らせてくれた。

慧「ご飯食べるの久しぶりだね」

「ふふ、そうだね」

メニュー表を開き
昨日のことなんてなかったように演じる。

慧「俺車で来てるし、Aお酒飲みなよ」

「私だけは申し訳ないから、いいよ」

慧「そうか、じゃあいつもの好きなの頼もうか」

慣れたようにスタッフを呼び、メニューを注文していく慧。

疲れた顔1つせず、笑って紳士に対応する。

慧「それで？Aから呼んでくれるの珍しいからびっくりしちゃった。本当はどうしたの？」