テーマ別短編集１【東京シンデレラ】(JUMP×JUMP)

酸欠人魚姫６ ページ6

俺は、毎日薮くんの家に泊まるようになった。









マネージャーに頼んで、薮くんの仕事はoffにしてもらって、俺の仕事もなるべく...









薮くんは、目を離すとすぐふらふらどこかにいってしまったり、...死にたがったり。









とにかく、不安定だから一秒も目を離したくなかった。









でも、自分で言うのもなんだけど俺はいま売れている方で、、、









さすがに、完全にオフの日はあまりとれなかった。









「っはぁ、はぁ、」









仕事が遅くなって、走って帰る。







「っただいま！」









...返事が、ない。









「...やぶくんっ、」









いない。いない。どこにもいない。








「薮くん！どこ！」









どうしよう。









薮くんが死んでしまう、そんな妄想が頭のなかに浮かんでしゃがみこむ。









「...どうしよう、どうしよう...」









だめだ、こんなことしてる暇ない。









ドアを開いて駆け出す。









薮くんの家は神奈川の、わりと海の近く。









ぶわぁ、と強い風が海の匂いを運んでくる。








「薮くん！！！」









どこにも当てはないけれど、とにかく走って、走って。









気づいたら、海に出ていた。

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