□Story.48 ページ48
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「直輝君、最近の仕事の具合はどうだい?」
「おかげさまで順調です。これも会長のお力添え……」
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正直、こういう場は好きではないけれど
呼ばれたら仕方がない。
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「あら、可愛らしいわね。何か月ですの?」
「先月で8カ月になりました。」
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あの人に抱えられた赤ん坊はみんなの注目の的の中
すやすやと寝ていて、俺はパーティー会場の隅に。
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「裕翔さんじゃないですか、お久しぶりですね。」
裕翔「ん、久しぶりだね。」
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「お元気で何よりです。会いたかったんですよ。」
「パーティーとか全然来てくれないから。」
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どこかのお嬢様がいつも通り俺に話しかけて
そのうちの一人の女の子が腕をからめてきた。
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裕翔「ごめんね。ちょっと学校が忙しくて。」
「そんなに生徒会長のお仕事はお忙しいのですね。」
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「でも顔をみせてくれないと私たち、寂しいです。」
裕翔「とかいって、他の男の子にも……」
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「確か、あの子って中島家の息子さんよね?」
「さすがだわね。あの子が跡取りになるのかしら?」
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ご年配の女性の会話は確実に俺の話。
学校で女の子に囲まれるのと、ココで囲まれるのは訳が違う。
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裕翔「父さん、俺……生徒会の仕事あるから帰るね。」
「仕事ってそんな忙しいのか、もう少しいても……」
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「ダメですよ、直輝さん。いつも言っているでしょう。
裕翔さんに無理強いしてはならないと。
彼が帰ってもこの場は何とかなります。」
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この人は俺に帰ってほしいんだろう。
今日だって、父さんに言われたからこの場に俺を呼んだ。
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裕翔「会長、お先に失礼すること、申し訳ありません。」
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「いやいや、全然気にしなくていいのだよ。
勉学に勤しみなさい。」
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作者名:おんぷ♪ | 作成日時:2013年6月21日 18時