■Story.47 ページ47
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本当に病人というわけではないから体を起こして
生徒会室に行くと、みんなが体育祭に向けて仕事をしていた。
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あ「裕翔…………」
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薄ら思い出す教室と生徒会室での彼との出来事。
思い出すだけでドキドキして、でもどこか苦しくて。
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私は普段通りにすることが難しいのに、
彼は普段通りで、かつ余裕な表情。
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大貴「A、もう起きてきたの?
休んでいてもよかったのに。」
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あ「あ、うん。もう大丈夫だから……」
大貴「だったら、俺の隣で……」
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侑李「そこは僕の隣でしょ!」
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涼介「別に隣である必要ないでしょ。
A、この資料手伝ってもらってもいい?」
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あ「あ、うん。」
涼介「ただ、この数字をPCに打ち込めばいいから、ね?」
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会長の裕翔は我、関せず。
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いつもの黒縁メガネを付けて黙々と仕事をしていて
必要最低限しか口を開かない。
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涼介「裕翔、これ来週に各クラスに配布した方がいいよね?」
裕翔「あぁ、そうだな。中央委員会開いて……」
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そんなやり取りが行われていると、
彼のデスクの上の電話が鳴った。
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裕翔「もしもし、あー…………ハイ。
今から、ですか?」
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さっきまで言い合っていた二人が静かになって、
涼介も何かを察したようで自分のデスクに戻って。
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裕翔「悪い、俺ちょっと用事できたから行ってくる。」
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そう言って、生徒会室を出て行こうとする顔は
少し切なくて、思わずブレザーの袖を掴んでしまった。
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裕翔「A?」
あ「あっ……ご、ごめんなさい。」
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裕翔「フフ、すぐ帰ってくるからいい子で待ってて?」
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作者名:おんぷ♪ | 作成日時:2013年6月21日 18時