第107話 ページ39
Torielさんが抱きしめるのをやめてからは、状況の確認を始めた。
人間のAとモンスターのAは同じ意識を持った存在で、記憶はソウルに刻み込みモンスターである今の自分が全てを覚えていること。
また、Asrielを復活させるために城にあった6つのソウルと、人間のAが持っていたソウルを与えたということ。そして、人間のAは病死して帰らなくなったということを伝えた。
「そう、亡くなってしまったのね……」
Torielさんは人間のAの死に悲しんだ。短い間だったけど、あの体の俺と一緒に過ごしていたからだろう。
「でも、こうして今は生き返ったから!むしろ、本来はあのまま消えて終わるだけの存在だったから、こうして存在していられることが嬉しいかな」
「……そうね!貴方達二人が帰ってきたんだもの!落ち着いたらお祝いしたいわ!」
そんなTorielさんを見て俺は安心した。彼女には、すごくお世話になったからモンスターの頃にも人間の頃にも……。
その後、TorielさんはAsrielを抱きしめて占有してしまっているため、隙を見て俺はAlphysの方に行った。
「あの時はお世話様でした」
「い、いえ!私もちゃんとした対応ができなくてごめんなさい!」
「いえ、結果的にあなたのおかげで俺はこうしてモンスターの体に定着することができたので……あとあの時の携帯電話をお返しします」
ポケットからAlphysから借りていた携帯電話を取り出して言った。
「あっ、それは貴方が持っていて良いのよ!前任のGaster博士が作った貴方の体のマニュアルや何かあった場合のメンテナンス方法とか見つけたから何かあったら直ぐに連絡が欲しいから!」
「あ、ありがとうございます!」
Gasterがいなくなった以上、もし異変があった時に体の調査が出来ないのは不安の一つだったから、Alphysの申し出はすごく助かる。
「それと……まったく別の話なんですが、AsgoreさんとTorielさんの間に何かあったんですか……?」
明らかに二人とも距離を取っている……というよりもTorielさんが一方的に距離を置いているように見える。
「えっ!?そ、その二人は……その……今は分かれてるみたいで……」
ボソッと小さな声で教えてくれた。
何となく予想はしてたけど……あれほどラブラブだった二人の間に何があったのだろうか……。
「あー……やっぱりそうだったんですね……」
これは当分、あの頃の家族に戻るのは難しいのかも知らない。親権とかどうなるんだろう……すごくドロドロしそうだ……。
13人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:アルフ | 作成日時:2020年1月19日 18時