第９３話 ページ25
真っ黒な空間にいた俺は体が動かせなかった。病気で衰弱していたこともあり、その弱った体をAsrielが支えてくれていた。
「これが俺の最終形態だ」
AsrielはFriskにそう告げれば、ミサイルのような魔法をたくさんFriskに放った。
そして、それがFriskの体に直撃していく。
「お、おいAsrielやめろ！」
「ダメだよ、死ぬたびにこの世界との繋がりが薄れていく。お前が死ぬたびに仲間が少しづつお前のことを忘れていくのだ。お前の人生は幕を閉じる……。誰もお前のことを覚えてはくれない……」
Asrielは再びミサイルを魔法をFriskに放った。
そして着弾する。
「まだ悪あがきを続けるつもりか？まあいい……あと少しでお前すら全てを忘れてしまうのだからな。来世でもせいぜい足掻くがいい」
トドメを刺すかのようにAsrielはFriskにミサイルの魔法を放った。そして、Friskのソウルは破壊された……筈だった。
________そんなのお断りだ
Friskの決意が漲りそして壊れたソウルが元に戻る。
「まだやるの？全く……なら見せてみろ。お前の決意がどれほどのものなのか！」
そしてAsrielは容赦なしにFriskを攻撃するが、Friskは俺と同様に体を動かせない。
今の俺たちは何もすることが出来ないのだろうか？
世界が終わる時をただ待つことしか出来ないのだろうか？
Asrielを説得することは本当に出来ないのだろうか？
……今の俺じゃ、Asrielを説得させることは出来ない。何も知らない俺じゃ……彼の心に届く言葉を発することができない。
もし……今の俺に……モンスターだった時の記憶があったのならば……！！
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作者名：アルフ | 作成日時：2020年1月19日 18時
