ジュリエッタ 2 snm SW

キス ページ13

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「えっ、なに？」


「やだ、帰らないで、ください」


「は？お前それどう言う意味でいってんの？」


答えられないでいると


「ちゃんと言わなきゃ俺の都合よく解釈するぞ？」


「わた、渡辺さんの都合よくが分からないけど、置いていかれるのは寂しいです」


「お前はさっさと帰った癖に、調子いい奴だな」


「こんな風に甘えられるの渡辺さんしかいないから…」


「…///お前さぁ…もう、ほら行くぞ」


奢りなとか言いながら払ってくれてぶっきらぼうに手を引いて歩く渡辺さん


今日は濃紺のピンストライプのスーツだったんだ


「渡辺さんて趣味いいですね」


「そう？ありがとう、モデルから言われるとなんか自信つくわ」


「もうモデルじゃ無いけどね」


「とか言ってこの前情報誌観たよ、涼太が嬉しそうに見せてくれた」


「そろそろお考えなんですってね」


「そうらしいな…涼太は早く子供欲しいって前から言ってたから」


「渡辺さんは？」


「おれ？俺は別に…ずっと一人かもしんねーし」


「ずっと一人は寂しいよ」


そう呟く私に
「じゃあ俺がお前の側にいてやるよ
そしたらお互い寂しくは無いだろ」って耳を真っ赤にしてそう言った


「耳真っ赤…そんなに照れられたら私まで恥ずかしくなっちゃうでしょ」


「くは、もう、こういうの苦手なんだよ」


マンションのエントランスに着いてじゃあって帰ろうとした渡辺さんをまた引き止めた


「俺はお前みたいに入ったら帰んねーぞ」


「…えっと、、、なんのお構いもできませんが…」


玄関を開けてどうぞって振り向くと抱きしめられた


ビクッとした体を構わず抱えられ頬を抑えおでこをくっつけて少し低い声で

「ほんとにいいの？」と問う


返事の代わりに目を閉じた


唇に柔らかなものが優しく当たった


そして角度を変えて今度は唇を喰むように重ねた

ここが玄関だということをしばし忘れ、痺れるような感覚に身を任せた


「可愛い」瞼にキスをされてようやく少しだけ離れた体


でもその少し離れただけでも寂しくて私から体を密着させた

「入っていい？」


「うん」


手を洗って部屋に通すと


「俺んちもあんま物無いけど、お前もさっぱりした部屋だな」


必要最低限のものしか持ってない部屋を見渡してそう言った

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