Music 7 ページ8
午前1時。
私は泥酔した幼馴染を引きずってネオン街を歩く。深夜を回ってもこの辺りは活気がありとても賑やかだ。
『米ちゃんお願い歩いて、背が高すぎて介抱できない無理』
「あははは、何?俺が天才?イケメン?知ってる知ってる〜」
駄目だ、コイツ完全に酔ってる。酔ってても漂う米津玄師オーラのせいですれ違う人みんな私たちを見る。ただでさえ身長大きくて目立つんだからやめてほしい。
『ね、米ちゃん家どこ?』
「家?泊めてくれないの」
『泊めるわけないでしょ。幼馴染だけどもうお互いいい歳だし』
私の肩に乗っている米ちゃんが頭をぐりぐりしてくる。ふわふわの髪の毛が首に当たってくすぐったい。やめろ泥酔者
「Aの家に泊まりたいな、俺」
『今日だけだからね…』
タクシーを捕まえ自宅の最寄り駅まで移動する。
最近作家の仕事がだいぶ波に乗ってきて購入した赤羽にある一軒家。家の中には大好きな童話のアンティークグッズがたくさん。家に帰るたびに幸せな気分になる
『ただいま、米ちゃん着いた、よ?』
反応がない。うとうとしている幼馴染をベッドに放り投げて目が覚めてしまった私は読みかけの文献を手に取る
私が次に出そうと思っている本は児童書じゃなくてオズの魔法使いについての著書。大人向けの本だ。
オズの魔法使いはもともとある文献が少なくて自ら執筆するのに少し抵抗があったのだがずっと前からやりたかったのでこの度やってみようと思う。
この仕事は昔米ちゃんと口約束した将来の夢だ
『大人になったら漫画家になる』
『そうなの?すごい!じゃあ私は童話が好きだから童話作家!そしたら米ちゃんが絵を描いてね!』
『でもさAなら研究職もいいんじゃないの?』
『それもする!私!有名になるよ!』
それからずっと童話を読んで、東京に童話を学べる大学があるって知って徳島から上京して。出版社に入って仕事をしている。
ここまで頑張ってこれたのは米ちゃんと交わしたあの約束のおかげだ
『ありがとう、米ちゃん。大好きだよ』
幼馴染として、ね
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朔間零に寵愛されたい小春(プロフ) - リズムさん» ありがとうございます!エモいと誉めてもらい舞い上がってます! (2020年1月30日 22時) (レス) id: ced7647d0d (このIDを非表示/違反報告)
リズム - エモすぎます、更新頑張ってください! (2020年1月26日 21時) (レス) id: a4faffa0ef (このIDを非表示/違反報告)
朔間零に寵愛されたい小春(プロフ) - 梟さん» 米ちゃんはまじめに呼んでみたいです。作者の妄想が400%なので笑笑劣等感は考えてませんでしたね…確かに劣等感持ってもおかしくはない関係ですね!コメントありがとうございます (2020年1月26日 15時) (レス) id: b18fb4f9f5 (このIDを非表示/違反報告)
梟 - よ、よ、米ちゃん…!おとなりさん!劣等感半端なさそう! (2020年1月26日 10時) (レス) id: 0632cd1f3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小春日和 | 作成日時:2020年1月23日 17時