ストーカーさんの妹さん【はじめしゃちょーの畑】

妹さん２５ ページ26

さて、私はというと、トンネルの出口から少し離れた場所にいて、お兄ちゃんの車の中でゾンビメイクをしている。実は私、ゾンビメイクが得意。得意というか、去年のハロウィンでもやったから慣れてる。

『よしゃ、完璧じゃん？』

でも、暗いところで見えるんだろうか。
金髪のゾンビってなんかシュールだね。

座席の背もたれにくたっと身を預けて、暇な私はTwitterを巡回しつつお兄ちゃんからの連絡を待つ
だけど、なかなか連絡が来なくて、遅いなぁと思っていると車のバックミラーに何か黒いものが映り込んだ。

『…………ﾋｪｯ』

狐かな、狐だよね。そーだよねー(棒)ゆ、幽霊とかじゃないはず…マジやめて怖い。
自分だけの空間に怖くなり、そろりと車から抜け出し、旧如月トンネルへ向かう。

「うわあああああああああああ！？！？」

あ、けんすけくんの叫び声。はは、脅かされてやんの〜！ふふっ
なんて余裕ぶっこいてた時もありましたよ。

＿＿ｳﾞｳﾞｳﾞｳﾞｳﾞｧﾞｧﾞｧﾞ

ちょっと待って、なんかうなり声が聞こえる。しかも耳元で。

『ひゃあああああああ！？！？！？』

思わずトンネルのほうに飛び出したのは許してほしい。撮影は終わってたらしいから、問題はないんだけどね。
そのまま逃げるけんすけくんを追いかける

けん「おわぁぁぁぁ！！！待って、なんか来た！！」

全速力で逃げるけんすけくんに全身全霊のタックルをかます。無理、怖い死ぬ。

『ふーっ、ふーっ…やっと、追いついたぁ…』

けん「あれ、Aちゃん？？」

はじ「心霊スポットでドッキリwithAちゃんでした〜！！！静岡にようこそ！！！Aちゃん！！！！」

『えへへ、改めまして、こんばんはです。歓迎ありがとうございます。心霊スポット怖いです、帰りたいです。』

お兄ちゃんのそばに行くと頭をするりと撫でられる。むふ、妹の特権。

はじ「そーだな！今日は解散！！！明日は10時集合で！！！」

その日はそのまま解散となった。このまま楽しい静岡ライフだ〜なんて思ってた。
この動画がきっかけで、私が動画出演することになるなんて、思いもしなかった。

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