ストーカーさんの妹さん【はじめしゃちょーの畑】

妹さん２３ ページ24

だいちぃside

一度全員でトンネルの向こう側まで行く道中、俺たちはいろんなものを設置してきた。

例えばこの前ドンキで買ってきた地蔵やカツラ。極めつけは名前のAちゃんが持っていた古いお守り。
地蔵には落書きを施し、カツラは切って髪の毛の束を不自然に配置した。お守りは見るからにボロボロだったのでそっと、その場に置いてきた。

これは怖いぞ、あー！けんが驚くところを見るのが楽しみだな

やふ「だいぶやばいっすね、なんか、トンネルの中、寒くなかった？」

たな「超寒かった！やばいよね、絶対出る。ラップ音とかやばかったし」

トマ「いやぁ、大人数で行ってこんなに怖いならビビりのけんすけは無理っすねぇ」

テツ「いやー、やばいっすよ。僕今背中重いですもん。」

ゴン「大丈夫すか？」

だい「やばいじゃん……じゃあそろそろ撮影しますよ〜。では各隊員、配置につけ！」

カメラを構えるとみんな気を引き締めて待機場所に着く。



俺たちのチームは俺、ゴンさん、Aちゃんという。おじさんとかわいい女の子という、チーム
トンネルの出口待機組で、辺りは真っ暗。けんすけにバレないように懐中電灯の明かりも消してるから本当に真っ暗。時折鳴くセミの声にびくつくAちゃんがかろうじて見えるくらい。

『……お兄ちゃん、だいちさん、怖くないんですか？』

ゴン「怖くないわけではないけど、幽霊とか信じてないし。」

だい「めっちゃ怖いけど、去年もトンネルドッキリしたことあるから耐性ついたかなぁ。あっ、」

もしかして幽霊怖い？

その問いかけにAちゃんの肩は大きく揺れた。あ、怖いんだ。

『信じてません、幽霊なんて。でも、富士急のお化け屋敷がトラウマで……』

あー、富士急のお化け屋敷は怖いわな。

暗闇の中で目を凝らすとAちゃんの目には涙の膜がはっていて、今にも泣きそうだった。かわいい。

だい「ほら、がんばってけんすけのこと脅かすんでしょ？来たっぽいよ？」

トンネルの奥からライトの光がこちら側を照らす。

『頑張ります。』

その後、泣き叫びながらけんすけを追いかけて抱きついたAちゃんに、けんすけずるいと思ったのは秘密

妹さん２４→←妹さん２２

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す