【呪術廻戦】五条悟の妹は呪詛師らしい

呪7 ページ9

悟｢…は？祓う？…なーに言ってるの？｣


『…もういいよ、お兄ちゃん。私、全部知っているから』



ここは、この家は、【五条家】だ。

呪霊の呪いによって体が侵され呪術師になれない自分なんてこの家にいる価値がないことはよく知っている。

それに…今日18歳になった私が20歳になって…呪霊になる予定まであと2年しかない。

2年後、私は｢家族」ではなく｢呪術の対象者｣なって愛する人…お父さん、お母さん、お兄ちゃん…美凰、飛音、慧星を傷つけるなんてのは絶対御免だ。


そんなことになるくらいなら…まだ人間のままで

“殺されてしまう”方がよっぽどいい。


悟｢…どういうこと？｣


『お兄ちゃん…何言ってるの、どういうことって言うのは私が聞きたいんだよ？』


悟｢A…｣

『…呪霊なんかになってから祓われるより、今、まだ“人間”として認められているまま死にたいんだ。

家族の中で1番大好きなお兄ちゃんに…殺されるなら本望だよ』



真実を知って、私が選んだ結論。

どうか叶えて欲しい、私の【欲しいもの】。



悟｢…慧星たちか｣


お兄ちゃんの声が珍しく低くなる。


『私が無理言って頼んだの。

3人を責めないで、お願い』



慧星が言った。私は｢隔離｣されていた、と。

隔離…周りの人はずっとそう思っていたのか。

ショックだった。



悟｢…A、大丈夫だよ。

…最強の僕がついてるでしょ？

必ず守ってあげるから。…必ず人間として生きて呪術師になれる方法を｣


『もう、いいって』


お兄ちゃんの言葉を遮るなんて、生まれて初めてかもしれない。



『私は…人間には戻れないよ。

だって今までずっと探してきたんでしょ？

その“方法”を…あと2年で見つかる？

無理でしょ？

あの五条家がここまで手こずってるんだから…


だから、ね？お願い。


祓ってください、私を』


悟｢ダメだ。出来るわけない。まだ“人間”なんだよ？Aは｣


『じゃあ、“秘匿死刑”に…』


悟｢ダメだ。もうこの話は終わり。また、来る｣

ﾊﾞﾀﾝ__



『…私は呪霊師になれないのに…どうしろって言うの…！』






｢なにを言っている？

呪術師になれないなら“呪詛師”になればいいだろう？｣





聞いたことの無い声に思わず顔を上げた。


いつ開いたのか、大きく開いた窓の枠に座る、一人の男がいた。


『誰？』


妖しげに笑う男の、頭のツギハギの様な傷を月明かりが照らしたいた。

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