【呪術廻戦】五条悟の妹は呪詛師らしい

呪14 ページ16

｢…A､？｣




声の方を振り返るとそこには人がいた。

長い白髪。

六眼の瞳。

…何一つ変わらない楽しそうな笑顔。


捜し続けていた、最愛の妹。

僕の宝物、A。



『そう。私だよ。五条A。

久しぶりだねぇ？お兄ちゃん？』



｢A！！お兄ちゃん、探したんだよ？

今までどこにいたの？｣




以前より長くなった髪の毛はAの胸元で揺れ躍る。

1階にいる僕は、2階にいるAを降りてくるように促す。おいで、と。




『嫌だって言ったらどうする？』



｢…A？｣



『お兄ちゃん、安心して？ここは危なくないの。

…私にとっては、』


｢“私にとっては”？｣


『…いやぁ、そろそろお兄ちゃん、ここに来る頃かなって思ってたけど本当に来てくれたんだね。

…まああれだけ呪術師を消したら当然かな』


｢…どういうこと？A｣


『どういうことだと思う？…別に他意は無いよ。

全くそのままの通り受け取ってもらえればいいだけ』



僕の大好きな妹が2年前と同じく僕に笑顔を向けている。

だけど僕はこの顔を知らない。



『うーん…だから…ここにさ？

何人か呪術師派遣したでしょ？…あれが1級術師なんだね？

私びっくりしちゃった…弱すぎて！！』


｢A、冗談はよして早くこっちへ来て。

そんなに話したいことがあるなら家で聞くから｣


『イエ？…あぁ、五条の家のこと？

…違うか、私は家じゃなくて“離れ”か。』


2階のフェンスに座って遠くを見つめるA。

昔から運動はしていないのにそんなところに上がって怪我をしたらどうするつもりなんだ…！


｢A、危ないよ｣


『だから、…危なくないんだって！！！』



その瞬間Aの目から涙がこぼれ落ちた。

その涙が地上へ落ちてシミになる…と同時に僕は強い力を受けてはね飛ばされた。


｢…っ、…これは…術式？｣


『そうだよ、大正解！さすがお兄ちゃん！


…特別に教えてあげるね、私の呪術…“秘涙操術”…』


｢呪、術？なんでAが…｣


『先生が教えてくださったの、私に。

呪術の全てをね。

…だけど、この術が使えるようになったのはお兄ちゃんのおかげだよ。

私の気持ちが昂るのはあの1人だった日々の事を思い出した時。

ずっと泣いてたあの日々の気持ちに呪力を乗せると最高の力を出せる』



｢A…｣





『残念。
もう、わたしは祓えないよ、









おにーちゃん。』







Aが、笑った。

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