イヤホン少女は優しい声が聞きたい１【呪術廻戦】

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Aside



次の日。

一日中ベッドの中で涙を流した。


その次の日。

上の空になりながら皆で交流会に向けての特訓。


そのまた次の日。

昨日と同じく訓練。
違ったのは、真希に呪具で腹をつかれた。


更に次の日。

訓練で、恵と野薔薇にそれぞれ負けた。


その日の夜。



『(恵と野薔薇は既に切り替えてる…。)』



そんなことをもんもんと部屋で考えていると、ドアが開く。


音が聞こえないからノックは誰もしない。

というか気付かない。

だから開く度にビックリする。



『悟…。どうしたの？』


五条「夜の散歩しに行こっか。」



すっと伸びた悟の手は私の頬に触れ、親指でいつの間にか流れた涙を拭った。









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私と悟の夜のお散歩。

実際は私の呪力操作の訓練のひとつ。


無下限を常時発動することで、私がイヤホンを外していても悟の心の声は聞こえない。

かつ、時は深夜帯。

みんな寝静まってるから知人の心を覗くこともない。

つまり、色々と持ってこいなんだよ。



五条「…どうだった？海外。」



今日の話題はこれらしい。

てっきり私の調子が良くないからその事を聞かれるのだと身構えてたからありがたい。



『んー…。
まぁ言語の壁は高いなって思った。
あとは日本の治安がいい。』



なんて、くだらない話を続ける。

この地域はこれが美味しかったよ、とか。
憂太とこんなやり取りしたよ、とか。
こんなクソ呪霊がいたよ、とか。



五条「うんうん。
術式の方は大丈夫だった？」


『うん。使ってないからね。』


五条「一度も？」


『一度も。』


五条「強くなったね〜。」



ぽんぽんと頭を撫でられ、私はその手をはたく。



『やめてってば。』


五条「黙って撫でられてろって。」



また悟の手が頭に乗り、私は俯く。



『…あのね。』


五条「ん？」


『私、やっぱり楽になりたい。』



ピタリ と私の頭を撫で続けていた悟の手が止まった。

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