不意打ち ページ10
『初めて殴られた』
ジンジンと頭に直接響いてくるような痛みは、これほどまでかと思うほど凄まじく、奥歯を噛み締める
隣の悟は慣れたように頭に立派なたんこぶをこさえていた
そして首から反省中という反省パネルが掛けられている
……私もだけど
悟『廊下で走るからだろ』
『うん、完全に忘れてた』
痛さを我慢しながら、さっき話そうとしていたことを悟に伝える
『ねぇ、また機会があったらさ鬼ごっこしない?』
『なんか想像したら楽しいだろうなって……パイ投げとかも入れた鬼ごっことか』
我ながら子供すぎたかなと思いながら悟を見つめていると、さっきまでのむっとした口が軽く弧を描くように口元が笑った
悟『いいじゃん、だったら傑と硝子が帰ってきてから鬼ごっこしようって言うか?』
『え?すぐするの?』
悟『当たり前だろ』
悟『そっちの方が楽しいだろ』
『硝子参加するかな?うーん』
悟『そん時は硝子が参加しそうなやつもやればいいだろ、、あの、あれ!だるまさんのやつ』
『いいね!』
悟『後パイ投げは内緒な』
悪巧みのような顔をして好奇心いっぱいの顔ではしゃぐ悟に、つられて私も笑う
『じゃあ準備しないとだね』
悟『だな』
そうと決まればすぐ実行、反省パネルをかけたまま準備に取り掛かった
悟『つってもさ、パイ投げくらった事ねぇだろ』
『え?…あーうんないね。大体そう言うのって男の子がするし』
よいしょよいしょと悟に背を向けながら準備をコツコツと終わらせていく
悟『Aー?』
後ろから妙に明るい声が聞こえて、なにー?と言いながら後ろをみると目の前には思いっきり真っ白な何かが飛んできた
避ける暇もなく顔に直撃する
視界が真っ白で、すぐさま悟にパイを投げられた方が分かった
『悟!!』
楽しそうに笑いまくる悟の声を聞きながら、自分のパイをはらう
『次はこっちの番だから』
クリアとまではいかない視界の中目に映ったパイを掴み悟の顔へと投げれば、油断していたのかクリーンヒット
わぷっと可愛い声を出しながら後ろへとよろけると、何も見えないはずなのにわっと追いかけてくる
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作者名:猿集合 | 作成日時:2023年11月9日 21時