10年かけて得た君の隣、絶対誰にも譲りません！3【五条悟】 (ページ38)

今日:10 hit、昨日:64 hit、合計:13,985 hit

不安ページ38

『あの子凄いね、ちゃんと制御できてる』

恵『関心してる場合じゃないでしょ、早く立ってください』

すくっと目の前に立っていた恵が手を伸ばしてくれたのでありがたくその手に自分の手を重ねた

ぐいっと軽く引っ張ってもらった後、ぱしぱしっとほこりを払っていると、気絶させたのだろうかぐったりと悟にもたれかかる男の子が視界に入る

一体どうするんだろうかと悩んでいると恵が珍しく焦ったような口調で悟に話しかけた

恵『どうする気ですか？』

悟『ん？別に何も、まぁこのまんま高専連れて行って上の連中に報告するんだけど…恵、どうしたい？』

悟『このままだとこの子死刑だけど』

恵『助けてください』

真剣な眼差しで自分の意見を率直に伝えてくれた恵に悟は軽く表情を崩した

悟『私情？』

恵『私情です。なんとかしてください』

悟『まっかせなさーい！』

よいしょと軽々しく持ち上げている男の子はそのまま悟に連れて行かれる

悟『あっそうだA、ちゃんと言い訳聞くから嘘なしね！』

うっわバレてんのか

にっと口が笑っている悟を見るも目が笑っているのかはよく分からない

チラッと恵を見るとドンマイという顔をして来た、ほんと次恵が悟に弄られた時同じことしようかな…

そんなことを考えながら悟の後についていく

『ねぇ悟、その子どうするの？宿儺の器でしょ？大丈夫なの？』

悟『質問多いよ』

一個に絞ってっと付け足すように言われ、1番気になったその子の未来について質問した

『じゃあ、その子さ…呪術師になるの？』

悟『んーまぁそうかな、抱えてんの宿儺だし…そこら辺にポイはできないでしょ』

『だよね』

少し不安だ、多分だけど悟は言いくるめるの上手だし多分速攻死刑とかにはならないだろうけど、生きられたとしてこの子は多くの問題にぶつかるような気がする

友達からも家族からも学校からも慣れたばっかかも知らないのに、いきなり見知らぬところに連れて行かれて、呪いなんて一切知らないのに、突然呪術師にならなきゃならないなんて

そんなのあまりに酷すぎる
こんなの昔と同じだ、いつかこの子の心が壊れてしまうかもしれないのに

悟『A』

はっと顔を勢いよくあげた後悟を見ると、見えないはずなのに分かんないはずなのに、やけに優しい眼差しを向けられているような気がした

悟『この子を支えるのはAの役割だ、心配なら寄り添ってあげればいい、Aならできるんだから』

『……てか、恵は？』

後ろについて来ているだろうと思っていたけどいないし

悟『伊地知が拾うよ』