気を抜かないこと ページ31
『自分より弱いって分かったからって余裕こいてたら負けるんだからね』
術式を発動する
『私の術式はね重力を操るの、呪力があるならなんだって好き勝手出来る最高の術式、その代わり扱いがすごくむずい』
『でね、私が生徒の時代はすっごく苦戦したわけ…でも今はこんなことだって出来るんだよ』
その名も!と言おうとするが、どうやら融通の利かない呪霊らしい
ぶんっと大振りで拳を振るってくる
『話はちゃんと聞いてよ、別に術式の開示が怖いってんならもう手遅れだし』
『それにハンデってヤツでしょ?雑魚相手に優しさとかちょーだいよ』
さっきの攻撃は私には当たることはなく、そのまま近くにあった壁に与えられる
『もう分かったと思うけど、上下左右反対だからもちろん見えてる方向もね』
有利な状態に立ってるけどいまだに怖いと体が震える
大丈夫、私は出来る、私だって強いんだ
呪具を取り出し
今度は自分から攻撃を仕掛けた
『疲れた、今回はほんとどっと疲れた』
目の前には膝をついて今にも消えようとしている呪霊
『強すぎるんだよほんと』
私のとっておきのはずなのに、だんだん慣れてくるから攻撃も喰らっちゃうはめだし
でもそのおかげでここまでの傷と思えば、よくやった方だよね
ふらっと足がふらついて地面に倒れそうになるのも両手で体を押さえた
地面に手をついた状態で深く息を吸う
生きてる、大丈夫ちゃんと生きてる
さっきまであった恐怖は無くなっていた
ゆっくり呼吸をしていると、視界にころっと宿儺の指が現れた
『え?!』
これって宿儺の指なんじゃ…
ばっと掴み、手に取る
宿儺の指って呪霊寄せちゃうものだから、急いで封印するかとかしないとヤバいんじゃ
『と、とにかく急いで帰らなきゃ』
そう思いさっきまでの疲れよりも、不安が勝ち急いで高専に帰ることにした
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作者名:猿集合 | 作成日時:2023年11月9日 21時