10年かけて得た君の隣、絶対誰にも譲りません！3【五条悟】 (ページ28)

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強さページ28

ガチャ

自室に戻ってから深く椅子に座る

『やなこと思い出したなあ〜』

脳裏にはチラチラと傑が映る

『…そうだよ、頼ってくれさえすればどうだって出来たはずなんだ』

『硝子や悟、私に頼ってさえしてくれれば、少しは気が散ったはずでしょ？少しは笑えてたはずだよね？』

『ねぇ、傑…私はどうしたらよかったの？』

ボロボロと溢れる涙を手で押さえる
溢れそうになる声をどうにか押さえ込んで、息を殺した

＂"非術師＂のいない世界を作るんだ＂

＂邪魔するなら、敵になるかな＂

＂悟と傑、2人で最強でしょ？＂

＂前まではね＂

『全部夢ならいいのに』

今すぐ目が覚めて、嘘みたいに明るい日常が来ればいいのに
…呪霊なんていなきゃいいのに

椅子に座ったまま何度も何度もあの時を思い出した

私に出来ることは、なんなんだろう

〜五条視点〜

悟『A〜？』

ガチャリとドアノブを捻り彼女の部屋へと足を踏み込むと真っ暗な部屋であかり一つついていない

だけど、明らかにAの気配がするし、椅子にでも座っているんだろう

悟『こんな暗い時間に電気つけないんじゃ目悪くなるよ？』

ぱちっと電気をつけて、椅子を自分の方へ向けると、鼻が赤く、目にも泣いた後が残っていた

悟『どうした？なんかあった？』

『悟、私』

途切れ途切れの言葉とか細い声をなんとか聞きながら、彼女の目線に合わせるためにしゃがむ

泣いているせいか、言葉を声に出そうとすると詰まるようで

落ち着かせるために椅子に座った彼女を引き寄せ軽く抱きしめた後背中を軽く叩く

『私、強くなるからね。いっぱい悟に追いつけるぐらい』

『それで、それで、、生徒みんな助けるの…声もしっかり聞くの』

落ち着いてきたのか、ゆっくりと話してくれる彼女を安心させていると、ぎゅっとAの手が背中に回る

『私は弱いから、もしかしたら1年生のみんなに抜かれちゃうかもしんないけど、私頑張るから』

『大丈夫だよって、寄り添って間違った道に行かないように、ちゃんと先生するから…見ててね悟』

悟『うん』

そう言えば、また泣き出してしまう

泣き虫の癖は治らないなと思いながら彼女をベットに座らせた後、Aの頬を両手で掴みしっかりと目が合うようにする

訂正しときたいところは早く訂正しとかないとね

悟『A、君は充分強い。だから、自分は弱いだなんて思わなくていい。自身持ちな』

悟『Aは強いよ』