短め、長め ページ19
「〜〜ろ〜〜て」
ゆさゆさと身体が揺らされる
ほのかに甘い匂いが鼻をくすぐる
「〜〜く〜」
声が聞こえてパチリと目を開ければぼやけた視界の中に白と黒が映る
次第にはっきりしてきて、目の前にいるのが悟だと言うことに気がつく
『悟?』
悟『おはよう、随分と寝てたけど。いい夢でも見てた?』
ゆっくり悟に手を伸ばし、ふわっとした白い髪に触れた後口を開く
『うん、悟の夢見たんだよ』
悟『僕の?』
『うん、可愛い悟の夢』
悟『僕、かっこいいとかの方が嬉しいんだけどなぁ』
拗ねたような顔をする悟に笑みが溢れる
悟『ちなみに僕は僕でもどんな夢?』
興味を持ってくれたのか、私の身体を起こした後向き合うように悟もベットに座った
学生時代の夢、私達の青春
全部話すには時間がかかるなと思い、悟が照れてしまう夢を思い出すことにした
その間にも目の前にいる悟は興味津々な様子で、見えない尻尾が揺れているように見えた
『初めてのキスとか』
あれは可愛かったなと思いながら目を瞑り昔の光景を噛み締める
最初にしたのは私の方で、茹蛸みたいに真っ赤になるもんだから、恥ずかしかったけど嬉しかったな
でもやっぱり今考えてみても、恥ずかしいな
悟『ねぇ、それさ俺が照れると思って言った?』
声に反応するように悟のことを見つめる、
……なんだ照れてはくれないのか
『悟変わったね、照れてくれてもいいのに』
目の前にいるのは余裕そうな表情をする悟、一つの行動全部は幼いのに、こう言う時とかは大人になる
悟『Aは変わってないよね』
悟『言った子が照れてどうすんの?』
『え?』
悟『ずるいよね、僕に勝手にキスした後逃げちゃうんだもん』
いつの間にか悟の手が優しく頬に触れる
『…ちょっ』
なんかやばい雰囲気
話題の選択間違えたかも
悟『ねぇ知ってる?Aは短めが好きだからずっと我慢してたけど…』
悟『僕長い方が好きなんだよ』
悟『だからさ、次はAが我慢してくれる?』
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作者名:猿集合 | 作成日時:2023年11月9日 21時