・ ページ40
五「…これ、和泉?」
『そう。ビックリした?』
懐かしそうに、いとおしそうにAは写真を見つめる。
五「…髪、長かったんだな。」
『母が綺麗だねっていつも褒めてくれてて嬉しくて…高専入学前までは長かったよ?』
五「なんで切った?」
五条の見つめる先は幼いAから今のAへとうつる。
『…切れなかったっていうのもあるけど、まぁ呪術師やるしね。』
五条は何も言わずにAを見つめる。
と同時に五条の手はAの髪へとのびる。
五「…髪、伸ばせよ。長いの…見たい。」
五条の手がするりとAの髪をすく。
『……ぇ』
ぶわりとAの顔が赤くなる。
五「(あ…、赤くなった。こいつ肌白いから直ぐに分かるな…。……赤くなった…???)」
五「ッッッ!!」
弾かれたように五条は腕で赤くなった顔を隠す。
五「ちがっっこれはっ!!」
『…??』
不思議そうにでもどこか不安げに五条を見上げる。
五「ッ…これは、、おまえがあまりに寂しそうな顔するからっ」
『寂しそうな…顔?』
五条は照れ隠しで顔を隠していた腕で頭をかくと、再びAの方へ目線を向ける。
五「その…思い出とかあるんじゃねえの?母親との。もしそうなら無理に切る必要無い…と思う。」
ふいに、Aの中にストンと落ちた。
『(あぁ、私寂しかったんだな。髪を切って。自分でも気づいてなかったのに…五条君に言われて初めて気付いた。)』
『そっ…か、そう…だね。伸ばしてみるよ、髪。……ありがとう。』
Aは五条を真っ直ぐ見つめると、フワリと心底嬉しそうに、気恥ずかしげに笑う。
それは花が綻ぶように。
五「(笑った…。いつもの気遣うような笑みじゃなくて。こっちの笑顔は…なんか良いな…。)」
五「別になにもしてねぇよ。」
再び五条の手がAへ伸びる________
家「Aー!」
光よりも早く、五条の手はAから離れた。
『あっ、硝子!どうしたの?』
53人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
み付 - 今日初めて読みました とてもいい話です!質問ですが続編のパスワードがわかりません。できれば教えてください (8月25日 23時) (レス) id: 6c0bcf64f8 (このIDを非表示/違反報告)
催花雨(プロフ) - プスメラウィッチさん» 五条さんオチにしようと思ってます!ありがとうございます!これからも読んでくださると幸いです!これからも宜しくお願いします。 (2021年5月5日 21時) (レス) id: d4f28ace1d (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年5月4日 0時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
催花雨(プロフ) - あおいさん» コメントありがとうございます!ヒロインちゃん頑張ってちょっとずつ心を開かせていくので、その過程も楽しんでいただけたら嬉しいです! (2021年1月7日 21時) (レス) id: d4f28ace1d (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - ヒロインが五条くんとどのように関わっていくのか楽しみです!更新頑張って下さい☆応援しています! (2021年1月7日 21時) (レス) id: eedcdb2f62 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:催花雨 | 作成日時:2021年1月4日 1時