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その日、五条には任務がなく学校も休みだったため一日を寮で過ごしていた。
任務があったらあったで面倒くさく、行きたくないものだが、何もないのは隙だななどと思い五条は夏油を見つけて声をかけた。
傑とゲームでもしようと思っていた矢先に言われた「Aとこのままではいけない」という言葉。
分かっていた。だが、思わず口をついて出た素直ではない言葉。
五「…ガミガミうるせぇなぁ。傑は俺のなんなんだよ。それに人にとやかく言える立場か?」
そんな気持ちのまま夜蛾の指示に従うこともできずに五条は高専内を行く宛もなくぶらついていた。
五「(そろそろ寮に戻るか…)」
ぶらつくのにも飽き、寮へと行き先を変更した。
その時聞こえてきた声。
俊「どういう意味?そんなの決まっているだろう。なぜ父上が出来損ないのお前が高専に入学するのを許可したのか察せない程の馬鹿なのか?」
Aと一人の男が、話しているところがちょうど見えた。
五「(和泉と…その兄ってところか…。めんどくさそうな現場に立ち会っちまった。)」
そう思いつつ五条の脳裏には今さっき言われた夏油の言葉が浮かんでいた。
"夏「いつかAとの合同任務がきたらどうする?」"
五「(分かってるよ。傑。)」
意識を別に向けかけていた五条を引き戻すような鋭い言葉。
俊「馬鹿なお前に教えてやるよ。お前はな五条の坊に気に入られて、五条家の嫁の地位を得るために入学したんだよ。お前が五条の人間になれば和泉家は呪術界で権力を握れる。五条の坊と同じ年に生まれたことを感謝するんだな、じゃなければお前は一生和泉家の下働きだよ」
五「(やっぱり…どいつもこいつもふざけた考え方しやがって…。和泉も何で言い返さねぇんだよ。いや…言い返せない…か…どちらにしろ呪術師としてその程度ではやっていけないな。)」
暫く五条は様子を伺っていた。
ほぼ諦めに似た気持ちで。
五「(やっぱ"仲良く"するのは無理だわ、傑。)」
様子を伺っていたが、もう意味がないなと思い五条は足を寮へと進める――――
が、そうはならなかった。
彼の興味をひく声が聞こえてきたからだ。
『お兄様。私は術師として強くなるために
ですから、先程の発言、撤回して下さい。』
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み付 - 今日初めて読みました とてもいい話です!質問ですが続編のパスワードがわかりません。できれば教えてください (8月25日 23時) (レス) id: 6c0bcf64f8 (このIDを非表示/違反報告)
催花雨(プロフ) - プスメラウィッチさん» 五条さんオチにしようと思ってます!ありがとうございます!これからも読んでくださると幸いです!これからも宜しくお願いします。 (2021年5月5日 21時) (レス) id: d4f28ace1d (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年5月4日 0時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
催花雨(プロフ) - あおいさん» コメントありがとうございます!ヒロインちゃん頑張ってちょっとずつ心を開かせていくので、その過程も楽しんでいただけたら嬉しいです! (2021年1月7日 21時) (レス) id: d4f28ace1d (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - ヒロインが五条くんとどのように関わっていくのか楽しみです!更新頑張って下さい☆応援しています! (2021年1月7日 21時) (レス) id: eedcdb2f62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:催花雨 | 作成日時:2021年1月4日 1時