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「 誰よこんなとこにバナナ置いたの! 」

「 あそれ俺かも 」

「 ふっざけんじゃないわよ! 」

わーわーとうるさい部屋の中を “ ゴール! ” という楽しそうな音が切り裂いた 。

「 A早すぎるわよ 」

『 みんなが遅すぎるだけじゃん 』

「 うざ 」

『 野薔薇それただの真顔でやめて』

真顔で悪口を言う野薔薇に笑みが溢れた。

そんな部屋の中に大きなあくびの音が響いた。

虎杖が立ち上がり 、 口を開く 。

「わり 、 俺そろそろ帰るわ 。 伏黒も帰るっしょ? 」

「 おう 」

じゃーなー 、 とふんわりした声を残して 、 二人は帰っていった 。

『 野薔薇お風呂入る? 』

「 そうね…… お風呂は自分のところで入るわ 。 なにも持ってきてないし 」

少しだけ考えた後 、 野薔薇の口から出たのは真っ当すぎる意見だった 。

『 そっか 、じゃまた 』

野薔薇を見送り 、 お風呂へと入る準備を始める 。

そこでふと気づいた 。 野薔薇いつ帰ってくるか分からない。私がお風呂に入っている間に来てもらうのは忍びない。

急いでお風呂に入る 。普段から長風呂する派ではないのが救いだった。

すぐにお風呂を出てスキンケア・ヘアケア 。女としての常識だし 。

暇だ 、 と呟いて 、机に突っ伏した 。


















「 A! ちょっと何寝てるのよ! 」

『 うわ 、 びっくりした 。早いね野薔薇 』

「 アンタが遅いだけよ 、 湯冷めするわよ 。 ほらいい加減起きて 」

『 うわ 』

顔を上げると 、 野薔薇がすぐ目の前にいた 。

側にいるのは知っていたけど 、 ここまで近いとは思わず 、 情けない声が出た 。

何よその声とでも言いたげな冷たい目線を浴び 、 目を合わせていられずに逸らした 。

「 さて 、 Aはいつもどこで寝てるの? 」

『 こっち 』

椅子をガタリと鳴らして立ち上がり 、 寝室へと向かった 。

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作者名:よる | 作成日時:2024年1月10日 16時

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