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『 野薔薇めちゃかわ 。 今度デート行こ 』
同学年に可愛い女の子が入ってきてくれて嬉しいよ、可愛いね。
映画見たり買い食いしたりとか出来たらいいな、なんて言ってみて。 こんなの全高校生の夢でしょ。
野薔薇は顔を輝かせて言った 。
「 行きましょ行きましょ!
ショッピング……私ショッピングしたいとは言ってない。
そんなショッピング好きじゃない 。 疲れるあれ 。
意気揚々と話す彼女の前でそんな事を言えるはずもなく、そうだねと相槌を打って寿司を頼んだ 。
『 あ 、 そうだ伏黒久しぶり、元気にしてた?』
「 今更感すげー 」
ふと思い出して伏黒に挨拶をすれば 、 素早く華麗なツッコミが 。
虎杖 、 ソッチ系のセンスあるんじゃない?なんて思った 。
「 あぁ 、 久しぶり 」
相変わらず仏頂面 。 端的。だけど今そんな事どうでもよくて 。
『 ねぇ伏黒 、 何でメール返してくれなかった訳?未読スルーとか有り得なくない? なんかやましいことでもあんの? 』
そう 、 私のメールは三日ぐらい放置されている 。
イマドキ高校生で1日も携帯見ない日ないでしょ 。
絶対見てるもん 、 なんでスルーするの 。
ちょっとした怒りをぶつければ 、 伏黒はあからさまに “ やらかした ” って顔をした 。
「 あー 、 虎杖のこととか色々追われててそれどころじゃ無かった 。コイツが宿儺の指とか食べたせい 」
怒りとか色々吹っ飛んでいった。宿儺の指食べるってどゆこと。なんで生きてるの?受肉?
情報が多すぎてパニック。
虎杖が 、 んー 、 と言う 。
「 器ってやつらしい 」
『 ほーん』
器っていうのはわかるけど 、 どういう経緯で食べたんだ。あれかなり気色悪い見た目してるし 、 食べたいものでは無いと思う。食べたくて食べたとしたら永遠に分かり合えない。
そんな私の目線に気づいたのか 、 虎杖はもう一度口を開く 。
「 まあ成り行きで 」
『 成り行きで指食べないで?』
少し頭を整理しようとしたけれど情報量が多過ぎる 。
面倒になった結果 、 思考を放棄することにした 。
『 まあいいや 。 いつか聞くよ 』
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作者名:よる | 作成日時:2024年1月10日 16時