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「出さないよ。子ども殺す趣味は無いからね。虎杖くんは、良い子だって聞いてるから、加護してあげても良いんだけどなぁ」
「加護?」
「神様の加護。・・・なーんてね、冗談冗談」


俺を睨む伏黒くんの圧が強くなったので、打ち消しておいた


「じゃあ、帰ろうね」


三人を寮に帰して、自分も学校近くのマンションに帰る


「出て来て良いぞ」


そう言うと、室内にわらわらと俺の中から、人が出て来る。マンションの一室に、俺を合わせた男女が、八人もいれば、かなりの大所帯である


「はい、解散」


パンと手を叩いて言えば、ぞろぞろと皆は、部屋を出て行く。それぞれの部屋に戻ったのだ。このマンションは、俺達用のマンションなので、関係者以外、誰も住んでいないのだが


「さてと、アイゼン。今日も、いっちょやるか。イデッ」


部屋に残った一人、黒服の大柄の男、アイゼンに軽口を叩くと、頭を叩かれた

基本的に、アイゼン達は、言葉を発せず、表情も変えない。けれど、意思というものはあるようで、俺が変な事をすれば、先程のように行動で示される


「ま、冗談は冗談として、今日は辛かっただろ。お前に溜まってるものも、まだ浄化しきれて無いのに、悪かったな。今日は長めにしよう」


提案したのだが、首を横に振られる


「良いよ。別に長くしても。妹の為にもさ」


妹の事を引き合いに出せば、アイゼンは迷ったように視線を落としたが、意を決したのか、こちらに視線を戻した


「それじゃあ、始めるぞ」


差し出されたアイゼンの手を自分の手で包んだ。そこから流れ込んで来る穢れを少しずつ浄化していく。自分で言った提案通り、それを長時間続けた結果、いつの間にか意識を失っていた

目覚めた頃には、アイゼンの姿は無く、夜だった時間は朝になっていた。適当に朝食を済ませて、高専に向かった


「おー、やってるやってる」


黒板に外で体育をやると書いてあったので、見に行けば、元気そうに皆で殴り合ったりして、じゃれている


「あ!!天使先生!!」


元気に手を振ってくれる虎杖くんに、手を振り返した


「どうしたん?」
「ただ単に生徒を見守ってるだけだよ」


隣まで来た虎杖くんに返す


「稽古、つけてくれたりは?」
「要相談。それに、俺は強いって訳では無いからさ」
「えぇ?ぜってー、嘘じゃん。先生、超強かったし」


虎杖くんは、昨日の事を話してくれているが、その話を聞こうにも、二人の視線が痛い程に飛んで来る


「一回だけ!!一回だけで良いから!!」
「うーん、仕方ないなぁ。一回だけだよ」
「よっしゃ!!」

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作者名:空白可能 | 作成日時:2021年1月2日 12時

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