5 ページ5
「出さないよ。子ども殺す趣味は無いからね。虎杖くんは、良い子だって聞いてるから、加護してあげても良いんだけどなぁ」
「加護?」
「神様の加護。・・・なーんてね、冗談冗談」
俺を睨む伏黒くんの圧が強くなったので、打ち消しておいた
「じゃあ、帰ろうね」
三人を寮に帰して、自分も学校近くのマンションに帰る
「出て来て良いぞ」
そう言うと、室内にわらわらと俺の中から、人が出て来る。マンションの一室に、俺を合わせた男女が、八人もいれば、かなりの大所帯である
「はい、解散」
パンと手を叩いて言えば、ぞろぞろと皆は、部屋を出て行く。それぞれの部屋に戻ったのだ。このマンションは、俺達用のマンションなので、関係者以外、誰も住んでいないのだが
「さてと、アイゼン。今日も、いっちょやるか。イデッ」
部屋に残った一人、黒服の大柄の男、アイゼンに軽口を叩くと、頭を叩かれた
基本的に、アイゼン達は、言葉を発せず、表情も変えない。けれど、意思というものはあるようで、俺が変な事をすれば、先程のように行動で示される
「ま、冗談は冗談として、今日は辛かっただろ。お前に溜まってるものも、まだ浄化しきれて無いのに、悪かったな。今日は長めにしよう」
提案したのだが、首を横に振られる
「良いよ。別に長くしても。妹の為にもさ」
妹の事を引き合いに出せば、アイゼンは迷ったように視線を落としたが、意を決したのか、こちらに視線を戻した
「それじゃあ、始めるぞ」
差し出されたアイゼンの手を自分の手で包んだ。そこから流れ込んで来る穢れを少しずつ浄化していく。自分で言った提案通り、それを長時間続けた結果、いつの間にか意識を失っていた
目覚めた頃には、アイゼンの姿は無く、夜だった時間は朝になっていた。適当に朝食を済ませて、高専に向かった
「おー、やってるやってる」
黒板に外で体育をやると書いてあったので、見に行けば、元気そうに皆で殴り合ったりして、じゃれている
「あ!!天使先生!!」
元気に手を振ってくれる虎杖くんに、手を振り返した
「どうしたん?」
「ただ単に生徒を見守ってるだけだよ」
隣まで来た虎杖くんに返す
「稽古、つけてくれたりは?」
「要相談。それに、俺は強いって訳では無いからさ」
「えぇ?ぜってー、嘘じゃん。先生、超強かったし」
虎杖くんは、昨日の事を話してくれているが、その話を聞こうにも、二人の視線が痛い程に飛んで来る
「一回だけ!!一回だけで良いから!!」
「うーん、仕方ないなぁ。一回だけだよ」
「よっしゃ!!」
62人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:空白可能 | 作成日時:2021年1月2日 12時