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「今回は、私も流石に死んだと思った。でも、虎杖も私も、七海さんも、皆を助けてくれたのは、アンタよ。感謝しないはずがないでしょ」
「そっか」
釘崎さんは、本当に良い子だ。人に感謝する、他人を思いやれる。そう言った人が生き残れる世界を創らないといけない
「世界は、一度壊すべきかねぇ」
「えっ、先生?」
「何でも無い。さてと、片付けも終わったみたいだから、授業の続きでもしよっか」
話し合っている内に、教卓の片付けを終えたらしく、ゴミ袋を縛っている恵達を見ながら言った
「二人共、ありがとね」
「いえ」
「ゴミ出しして来ますか?」
「そこまでは良いよ。席について」
片付けてくれた二人は席に戻り、授業の続きを始める
「どこまで行ったっけ」
「術の詠唱は適当で良いってところです」
「そうだった。さっきの詠唱文句は、俺の仲間のエドナがやってるやつで、今日は省くけど、他にも色々あるよ」
相手が格下だと、詠唱が適当になると言うのが、俺達の中では普通になっているので、現在では大体は適当になる
「その詠唱ってのを適当にしたら、何かあるの?」
「威力や効果が少し下がるぐらいかな。あんまり使わないから、分からないけどね」
「使わねぇのかよ」
「俺の場合は、近接が専ら。前線で攻めて込んで、味方の詠唱を補助する役目」
攻撃の片手間に、弱い天響術を唱えるが、ほとんどが目眩ましや、相手に隙を作る為のものだと説明する
「俺が後ろに回る事は少ないかなぁ」
「回ったらどうなるんですか?」
「忘れた」
「忘れたって、アンタねぇ・・・」
人だって、何年もやっていない事は忘れるので、仕方がないと俺は思う
「デゼル?」
授業の途中で、俺の体からデゼルが出て来て、こちらを見詰めて来る
「喋れよ」
「そうだったな」
喋れる事を忘れていたのか、デゼルは思い出したように返事をする
「それで、どうした?デゼルが出て来るなんて」
授業の邪魔をしてまで、デゼルが出て来るのは、珍しい事だったので、理由を訊く
「ああ。異様に不穏な感じがする」
「不穏な?」
「お前がぶっ倒れてから、僅かだが感じていたものが大きくなった」
デゼルが嘘を言うのは、小動物などが目の前で酷い目に遭いそうな時ぐらいなので、信用は出来る話だ
「お前さんに向けられた殺意みたいなものを感じるぜ」
「ザビーダまで。ポンポン出て来るなよ」
「良いじゃねぇか。減るもんでも無いんだしよ」
確かにそうなのだが、生徒の前なので、出来るだけやめてもらいたい
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作者名:空白可能 | 作成日時:2021年1月2日 12時