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「先生、おはよー!!」
「うぉっと、おはよう。朝から元気だね」
例のごとく、飛び付いて来た虎杖くんに返事を返した
「すみません、先生。待ちましたか?」
「さっき来たところ」
吉野くんが訊いて来たので答える
「嘘吐かなくて良いっての。集合時間に遅れてる訳だし」
釘崎さんは、時計を見ながら言う。確かに集合時間の十一時は過ぎていたけれど、それほど遅れている訳でも無い
「ま、気にせず満喫しようよ。それに頼んだのは、俺の方だから」
「そうね。これでお相子って事で」
「そうそう。って事で、この子をよろしくね。釘崎さん」
俺の後ろに立っていたサイモンを前に出して、釘崎さんにお願いした
「改めて見るけど、ちっさいな」
「小さくても、釘崎さんよりは年上だからね。年上とか気にしなさそうだけど」
「当たり前でしょ。あ、まずはランチね」
そう言った釘崎さんが、良い場所を知っているそうなので、そこで昼食を食べる事になった
案内をしてくれる釘崎さんが歩く後ろをサイモンと一緒に歩いていた。前は一年生で固められているので、危険な事にはならないだろう
「天使先生」
「どうしたの?恵」
前を歩いていたはずの恵がいつの間にか、隣にいて声を掛けて来たので、問い掛ける
「・・・サイモンさんは、周りの人には見えてるんですか?」
「軽い術を使ってるから、一応は見えてるよ」
「そうですか」
会話はそれで終わってしまい、何か話すべきかと悩んだが、恵はあまりお喋りをしないので、そのままでも構わないだろう
「おーい、二人ともー。ここだってー」
先を歩いていた釘崎さん達が立ち止まっていて、虎杖くんが大きく手を振って、俺達の事を呼んでいた
「はーい。今行くよー」
自分も手を振っ返した
「で、何食べる?」
「サイモンはどうする?」
隣に座る彼女にメニューを渡せば、それに目を通している。そして、少しの間、それを見たサイモンは、一つのものを指差した
「これ?大きいけど、食べられる?」
彼女が指差したものは、大きなパフェである。メニューには四人前と書かれているので、四人分のパフェである
「あ、もしかして、俺も食べるの?」
「当たり前だろう。お前も甘いものは、好きだったはずだが?」
訊くと彼女は簡単に話して、逆に訊いて来る
「喋れてる。良い感じだな。違和感は?」
「無い」
「それなら、誓約は成功ってところか」
今朝、出掛ける前に、俺は一つの誓約を掛けた。それは軽いもので、以前の自分自身の事を話さない、それを誓約にして、力を手に入れた
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作者名:空白可能 | 作成日時:2021年1月2日 12時