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「あ、そうだ」
「ん?」
俺の事を見上げた釘崎さんを見下ろした
「明日、暇?」
「学校は休みだし、任務も無いから暇だよ。あ、やっぱり暇じゃない」
「どっちだよ」
「明日はサイモンにお仕置きする日なんだよね」
そう言うと、釘崎さんは物凄い顔で俺の事を見た。釘崎さんだけではなくて、恵からの視線も痛い
「いかがわしい事はしないって。あ、釘崎さんも手伝ってよ」
「嫌」
即答されてしまったが、ここで引き下がっては面白味に欠ける
「釘崎さんの力が必要なんです。お願いします」
「・・・サイモンって子に何するつもり?」
「可愛い服を着せたい」
サイモンにしたい事を釘崎さんに話せば、長い溜め息を吐かれた
「仕方ないわね。この私が付き合ってあげる」
「ありがとう。助かる」
「お前らは荷物持ちな」
結局のところ、五人で出掛ける事になって、待ち合わせ場所を決め、その日は終わった
「吉野くん、皆とは仲良くなれた?」
吉野くんと一緒に帰っている途中で訊いてみた
「はい。悠仁はともかく、先輩方や同級生の二人もちょっと怖いけど優しくて、なんとかなりそうです」
「それは良かった。不安な事があったら、何か言ってね」
「分かりました」
そんな会話をして、吉野くんと別れた。仲間達とも別れたのだが、サイモンだけは俺の部屋に残っていた。恒例のものが残っているアイゼンは、何故だかいない
「どうした?サイモン」
訊けば、不機嫌寄りの無表情が、更にムッとした顔になった
「まさか、二人きりが良かったとか?」
サイモンが一番、考えて無さそうな事を言えば、視線を逸らされた。その上、軽く殴られた。つまり図星という事だ
「じゃあ、釘崎さんに服を選んでもらって、それ着て一緒に出掛けよ?」
いつもサイモンは黒いパーカーで、たまには可愛い服を着て、着飾ってほしい。勿論、これは俺自身のエゴではあるが、今回はお仕置きという事で、四時間ほどの時間を有効に使いたい
「良い?」
もう一度、問い掛けると、サイモンは頷いた
「良かった。明日が楽しみだな、サイモン」
そう言って頭を撫でても、払われる事は無かった。今日は随分と大人しい。以前の事を考えれば、このサイモンは物凄く大人しいし、良い子である
ツンツンしていたサイモンも嫌いでは無いが、他人に無害になってくれたのは、ありがたい事である
「それじゃ、また明日」
サイモンと別れて、一人になった部屋で、寝支度を済ませる。アイゼンの事は明日の夜に、また多めに浄化すれば良いだろう
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作者名:空白可能 | 作成日時:2021年1月2日 12時