12 ページ12
｢どうやったんですか？さっきの｣
｢えーっと、脚に力を入れて、｣
｢教える気無いっすね｣
｢そうとも言う。あ、恵が笑った｣
即答すれば、伏黒くんは小さく笑った
｢俺だって笑います｣
｢そっかぁ｣
普段から笑うところは見ていないけれど、と思ったが、言わないでおいた
｢あと呼び方。どっちかにしてくれませんか｣
｢伏黒くんね｣
｢･･･何で昔は、下の名前で呼んでたんですか？｣
伏黒くんと呼ぶ事が引っ掛かったのか、彼は俺に訊ねて来る
｢んー、禪院になるのかなーって思ってたからかなぁ。俺って、御三家苦手なんよね｣
｢それはどうしてですか？｣
｢御三家とは色々あって、それの関係｣
詳しく話せば、長くなってしまうので、適当に言っておいた
｢五条先生もそうですけど、天使先生も掴めないですよね｣
｢そう？長く生きてるからかな｣
｢つっても、二十数年ぐらいなんじゃないんですか？｣
｢一応、五条さんと同級生だったからね｣
そう言うと伏黒くんは驚いたような顔をした
｢どうしたの？｣
｢俺はてっきり、貴方があの人の後輩かと｣
｢同級生同級生。同級生に特級がいると霞むよね｣
｢まぁ、そうっすね｣
六眼とか無下限、そう言った呪術の事は詳しく無かったが、五条家相伝の術式を使っているだのどうだので、凄く強いらしい
育った環境のせいもあってか、五条さんは難しい性格をしていた。今では懐かしい記憶である
｢伏黒ぉー!!お前もこっち来いってー!!｣
｢お呼びだよ。いってらっしゃい｣
｢･･･いってきます｣
虎杖くんに呼ばれた伏黒くんを見送ったのだが、途中でこちらを振り返り、戻って来た
｢どうしたの？伏黒くん｣
｢昔みたいに、恵で良いです。それでは｣
｢えっ｣
さらっと告げて、軽く頭を下げた伏黒くんは、虎杖くんの方に足早に向かっていった
｢青春ってヤツかなぁ｣
｢ねぇ｣
話し合っている皆の姿を遠目に眺めていると、隣から声が聞こえた
｢何か用ですか？五条さん｣
｢それやめてよ。きしょい｣
｢気色悪い、または気持ちが悪い、でしょう。ちゃんと言ったら、やめたーげる｣
｢お前もちゃんと言えっての｣
そんな軽口を叩いているものの、五条さんの雰囲気は子ども達に向けているもとは違って、暗いものだった
｢何の用かな？見ての通り、ちゃんと見てるけど｣
｢変わった事は？｣
｢悪い報せと良い報せがあるけど、どちらから聞く？｣
｢悪い報せ｣
｢この間の任務は、一級相当か、それ以上だった｣
五条さんの代わりに行った任務の事を悪い報せとして話した
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 62人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空白可能
| 作成日時：2021年1月2日 12時
