【じゅじゅ】しくじって近侍の鶴丸とトリップした【とうらぶ】

こちとら審神者ぞ？馬糞を投げてくるな ページ3

ぼやぁっと浮かんでくるのは、在りし日の本丸。

庭ではしゃぐ短刀に、縁側でお茶をすする太刀。

手合わせをする打刀に、馬糞投げてる脇差。

……最後に至っては1振りしかいないのだが。

私に向かって投げるとか、ふざけるなよ鯰尾。歌仙に怒られろ。

しかし、話によれば、刀には個体差なるものがあるらしい。

私の本丸は比較的に差が激しいようだ。

他の審神者から話を聞けば聞くほど、特に鶴丸が酷い。

落とし穴を作る？毎日驚かせにくる？脇差や短刀に混じってバカやってる？

ぜったい嘘でしょ！と笑い飛ばすほどに、私の鶴丸はそんなことがなかった。

次に酷いのは……【んばくに】かな。あ、山姥切国広ね。略して『んばくに』。

山姥切長義って刀が実装されてから呼び方を変えたが、前の【んばっち】よりすんなり受け入れられた。

んばくにはとにかく無口。鳴狐には劣るけど。

自虐ネタなんかも喋らないし、必要以上に顔を隠したりもしない。

まぁ顔を見ると睨みつけられるのだから、性格的には大差ないのだろう。

(でも、今目立つのは鶴丸だよなー……)

控えめな笑みに冷めた視線、落ち着いているといえば聞こえはいいが、他の鶴丸との差がありすぎていっそ恐ろしい。

(あぁでも、そんな鶴丸だけど、ああいう顔はするんだよね)

私が飛ばされそうになった時、真っ先に巻き込まれてくれたのは鶴丸だった。

確かに距離的には1番近かったかもしれないが、それでも速すぎた。

もしや機動力バグでも起こったか？

(どこに着いたんだろ。早く起きないと、本物のお荷物じゃん)

私は、ゆっくりと重い瞼を上げた。







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正気に戻る前に完結させたい。

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