検索窓
今日:3 hit、昨日:12 hit、合計:43,055 hit

鶴丸と伏黒に不穏な空気が ページ16

呪霊を祓った後であろう和装の男は、刀を納めずにこちらへ歩いてくる。

「今、何が……」

「伏黒、見てなかった?あれ何て言うの?こう……下から斬る」

「剣技、燕返(つばめがえ)し。空振りと見せかけて相手を下から斬りあげる技だ」

虎杖の声を遮って、丁寧に解説をした男は、彼らが目的としていた“鶴丸国永”だ。

伏黒と虎杖の後ろで気絶している審神者を見て、目を細めた。

あの時、廃墟に向かって走り出した審神者だが、呪霊が天井に突撃した際に落ちてきた瓦礫が頭に当たり、気を失ったのだ。

そこを虎杖が抱きかかえ、釘崎を背負った伏黒と廃墟から距離を置いた。

だが、その一連の流れを見ていない、人の気配を感じていただけの鶴丸は誤解をしそうになっている。

「……そこの小娘を見ていてくれたんだよな。礼を言おう」

「いーッスよ、こんくらい!それより、俺らのこと庇ってくれてありがとうな!」

「庇う?きみたちを庇った覚えはないが……」

「え?」

鶴丸の一言に、虎杖の笑顔が固まった。

「も、もしかして、Aさんがいたから、ついでに……とか?」

「まぁそんな感じだな」

あっけらかんと言ってのける鶴丸に、その場の全員が唖然とした。

「さて、俺はその小娘に用がある。返してもらえないか」

「その前に、刀を納めてください。危ないです」

かなり刃こぼれした刀を未だに裸で持つ鶴丸に、警戒心を隠さずに睨みつける伏黒。

鶴丸は刀を持ち上げて、光を反射する刃を眺めた。

「ここまで刃こぼれしちゃあ、鞘に納めると逆に危なくてな……今にも折れてしまいそうなんだ」

「じゃあせめて置いてください」

「それも出来ない。刀は意外と繊細なんだ」

そうは言っても、伏黒たちにとって、鶴丸が今にも斬りかかって来そうな危険な匂いがしている。

彼が刀を手放さない限り、安心はできないのだ。

「あなたとこの人がどんな関係かは知りませんが、刃物を剥き出しにしてる人に、ホイホイ渡せません」

「何故きみが間に入ってくるんだ。こちらだって警戒を解くわけにはいかない。……何せ、審神者が見ず知らずの人の子の手に渡っているんだからな」

一瞬にして空気が変わったことを感じ取り、伏黒は手を組んだ。

いつでも式神を呼び出せるように構えたのだ。

「伏黒?」

器用にも、鶴丸は伏黒にのみ分かるように、殺気を放っている。

そのため、虎杖は状況が飲み込めていない。

****

面白いだなんて……嬉しい限りですよ。

間一髪のナイスタイミング→←ついに合流でまさかの光景



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (96 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
240人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

刹那(プロフ) - めっちゃ面白かったです!続き楽しみにしてます! (2021年1月28日 20時) (レス) id: a998d0df73 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - とっても面白いです!これからも頑張ってください!! (2021年1月24日 15時) (レス) id: 95df5f81b7 (このIDを非表示/違反報告)
あさひ - 続き待ってます。 (2021年1月16日 13時) (レス) id: 106ee9d16b (このIDを非表示/違反報告)
ばってん(プロフ) - ウェイウェイさん» いえいえ〜頑張ってくださいね〜 (2021年1月8日 19時) (レス) id: f38cd6c1be (このIDを非表示/違反報告)
ウェイウェイ(プロフ) - ばってんさん» あ、本当ですね。寝ぼけてたみたいです。ご指摘ありがとうございます! (2021年1月8日 19時) (レス) id: d110526ff5 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ウェイウェイ | 作成日時:2021年1月7日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。