鶴丸と伏黒に不穏な空気が ページ16
呪霊を祓った後であろう和装の男は、刀を納めずにこちらへ歩いてくる。
「今、何が……」
「伏黒、見てなかった?あれ何て言うの?こう……下から斬る」
「剣技、
虎杖の声を遮って、丁寧に解説をした男は、彼らが目的としていた“鶴丸国永”だ。
伏黒と虎杖の後ろで気絶している審神者を見て、目を細めた。
あの時、廃墟に向かって走り出した審神者だが、呪霊が天井に突撃した際に落ちてきた瓦礫が頭に当たり、気を失ったのだ。
そこを虎杖が抱きかかえ、釘崎を背負った伏黒と廃墟から距離を置いた。
だが、その一連の流れを見ていない、人の気配を感じていただけの鶴丸は誤解をしそうになっている。
「……そこの小娘を見ていてくれたんだよな。礼を言おう」
「いーッスよ、こんくらい!それより、俺らのこと庇ってくれてありがとうな!」
「庇う?きみたちを庇った覚えはないが……」
「え?」
鶴丸の一言に、虎杖の笑顔が固まった。
「も、もしかして、Aさんがいたから、ついでに……とか?」
「まぁそんな感じだな」
あっけらかんと言ってのける鶴丸に、その場の全員が唖然とした。
「さて、俺はその小娘に用がある。返してもらえないか」
「その前に、刀を納めてください。危ないです」
かなり刃こぼれした刀を未だに裸で持つ鶴丸に、警戒心を隠さずに睨みつける伏黒。
鶴丸は刀を持ち上げて、光を反射する刃を眺めた。
「ここまで刃こぼれしちゃあ、鞘に納めると逆に危なくてな……今にも折れてしまいそうなんだ」
「じゃあせめて置いてください」
「それも出来ない。刀は意外と繊細なんだ」
そうは言っても、伏黒たちにとって、鶴丸が今にも斬りかかって来そうな危険な匂いがしている。
彼が刀を手放さない限り、安心はできないのだ。
「あなたとこの人がどんな関係かは知りませんが、刃物を剥き出しにしてる人に、ホイホイ渡せません」
「何故きみが間に入ってくるんだ。こちらだって警戒を解くわけにはいかない。……何せ、審神者が見ず知らずの人の子の手に渡っているんだからな」
一瞬にして空気が変わったことを感じ取り、伏黒は手を組んだ。
いつでも式神を呼び出せるように構えたのだ。
「伏黒?」
器用にも、鶴丸は伏黒にのみ分かるように、殺気を放っている。
そのため、虎杖は状況が飲み込めていない。
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面白いだなんて……嬉しい限りですよ。
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刹那(プロフ) - めっちゃ面白かったです!続き楽しみにしてます! (2021年1月28日 20時) (レス) id: a998d0df73 (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - とっても面白いです!これからも頑張ってください!! (2021年1月24日 15時) (レス) id: 95df5f81b7 (このIDを非表示/違反報告)
あさひ - 続き待ってます。 (2021年1月16日 13時) (レス) id: 106ee9d16b (このIDを非表示/違反報告)
ばってん(プロフ) - ウェイウェイさん» いえいえ〜頑張ってくださいね〜 (2021年1月8日 19時) (レス) id: f38cd6c1be (このIDを非表示/違反報告)
ウェイウェイ(プロフ) - ばってんさん» あ、本当ですね。寝ぼけてたみたいです。ご指摘ありがとうございます! (2021年1月8日 19時) (レス) id: d110526ff5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ウェイウェイ | 作成日時:2021年1月7日 12時