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話のすれ違いってよくあるよね ページ13

五条さんに連れられて来た私たちは、寂れた廃墟の前で佇んでいた。

「あの、ここ……」

「うん、特級呪霊がいるらしいよ」

不安になって尋ねたら、何ともまぁ素晴らしい解答が。

「え、特級!?」

1年生の皆が大きな声を上げた。

それを無視して、五条さんは「じゃあ伊地知、(とばり)下ろしてー」と呑気に声をかけていた。

「ちょっと!危なくないの!?」

「大丈夫、大丈夫。僕がいるから」

「不安しかねー……」

野薔薇ちゃんは疑いの眼差しを担任の教師に向けていたが、やがて私のところへ近づいてきた。

「まぁ、なんかバカっぽいけど力は確かよ。あいつから離れないでね」

「わ、分かった」

認めてはいるんだ……。

「んじゃ、行こうぜ!」

頼りがいのありそうな顔で親指で廃墟を差した悠仁くんを先頭に、私たちは歩き出した。

「ってかさー、ナナミンはどこでその人に会ったの?」

「ショッピングモールの1階らしいよ」

「ショッピングモール??ここに来るまでに時間かかんじゃね?」

「うん、普通はね(・・・・)

意味ありげな言葉を吐く五条さんに、私は不安しか抱かなかった。

鶴丸がここにいるかもしれないってことで、連れて来てくれたんだよね?

それとも、別の目的があって……?

「五条先生、近いです」

「え?そう?そこまで近くなくない?」

「は?近いですよ。アンタなら分かるでしょ」

「え??これ以上近かったことなんていくらでもあるでしょ?」

「は??そりゃ接近戦とかあるし、そうかもしれませんが……」

「接近戦?あれ、恵と敵対してたことないけど?」

「……アンタ何のこと言ってるんスか?」

「恵と僕の距離感」

「俺たちと呪霊の距離の話です!」

瞬間、私たちの進行方向の壁が破壊された。

瓦礫が激しく飛び散り、埃が舞う。

「ゲホッ……!何よ!?」

野薔薇ちゃんが私を背に庇うようにして立ちはだかった。

「野薔薇ちゃん!?私は大丈夫だから」

「うるさいわね!黙って守られてなさい!」

「え、イケメン!」

私が女だからか、野薔薇ちゃんは常に私の傍にいてくれていた。

確実に他の男の人よりも私を気にかけてくれている。

一方、恵くんは五条さんにキレてた。

「アンタがふざけてたから!!」

「ごめん☆それじゃ、皆は下がっててねー。そして、君は相手をよく見ていて」

目隠し越しに目が合ったような気がして、迷わず頷くと満足そうに笑った。

次第に煙が晴れていく。

特級と特級とレベマ→←特別任務に審神者と護衛



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刹那(プロフ) - めっちゃ面白かったです!続き楽しみにしてます! (2021年1月28日 20時) (レス) id: a998d0df73 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - とっても面白いです!これからも頑張ってください!! (2021年1月24日 15時) (レス) id: 95df5f81b7 (このIDを非表示/違反報告)
あさひ - 続き待ってます。 (2021年1月16日 13時) (レス) id: 106ee9d16b (このIDを非表示/違反報告)
ばってん(プロフ) - ウェイウェイさん» いえいえ〜頑張ってくださいね〜 (2021年1月8日 19時) (レス) id: f38cd6c1be (このIDを非表示/違反報告)
ウェイウェイ(プロフ) - ばってんさん» あ、本当ですね。寝ぼけてたみたいです。ご指摘ありがとうございます! (2021年1月8日 19時) (レス) id: d110526ff5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ウェイウェイ | 作成日時:2021年1月7日 12時

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