補助監督の君と最強の僕【五条悟】

ロク ページ6

恵が小学生の頃、
ふと恋バナを聞きたくなったことがあった。






悟「恵って好きな子とかいないの？」


恵「まだ俺、小学生ですけど」


悟「今の子はそういうの早いって言うじゃん？」


恵「そういう五条さんはいるんですか？」


悟「いる。つーか、彼女がいる。もう付き合って一年ちょいか？」


恵「へぇー」


悟「今嘘だと思ったろ」


恵「はい」


悟「正直に言うな。よし、明日連れてきてやる。超美人だから惚れんなよ」


恵「年上に興味ありません」






恵はガキのくせに、変に大人っぽいっつーか…まぁ、親父が親父だし、環境も環境だからな。
こんなマセたガキになってもおかしくねぇか。






悟「恵、お前って面白いこととかあんの？」


恵「ん？特にないですけど」







こんなんで、これから中学生高校生になってアオハルはあるんだろうか。
なんか心配になってきた。







悟「女なら色々と紹介してやっから、いつでも言えよ」


恵「結構です。別に誰とも付き合いたいなんて思ってませんから」


悟「…」







かなり冷め切ってんな、恵。
まぁ、俺らのラブラブっぷり見せつけたら少しは興味湧くか。
なんて軽い気持ちで、次の日二人を会わせた。







「恵くん、だよね？私、浅井Aっていうの、よろしくね」


恵「…」







恵はじーっとAを見ていた。
瞬きもせずに。







悟「どうだ、恵。"俺の"彼女、超可愛いだろ」


恵「…」


「いや、小学生の子相手に威張り散らすとかダサいんですけどー」


悟「恵が俺に彼女なんているわけないって言うからだろ」


「はいはい。何ムキになってんだか」






なんて会話は恵の耳にはたぶん入っていない。
ただただAをじーっと見つめるだけ。
この時は見惚れてんだなって軽く思ってた。
だって美人だもん、A。







悟「恵」


恵「なんですか？」







どうしても言っておかないとと思った、この言葉。







悟「Aは、俺のだからな」

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