補助監督の君と最強の僕【五条悟】

サンジュウゴ ページ35

ー 現在


悟「おかえり。恵とご飯食べてきたんだって？それにしては遅かったね」


「ごめん。待っててくれたの？」


悟「うん」








もうすぐ着くよと連絡があったから駐車場で待ってた。








「…どしたの？」


悟「Aと出会った頃のこと、思い出してた」


「どうして？」


悟「ん？なんとなく」


「そっか。あ、プリン買ってきたんだけど、食べる？」


悟「食べる。部屋行こ」


「うん」








手を繋いでAの部屋へ。








悟「ここ、座って」








自分の膝の上にAを呼ぶ。
大人しく座ってきたAを後ろからぎゅっと抱きしめる。









悟「今日もお疲れ様」


「うん、ありがとう」


悟「A」









うなじにキス。
その時必ず目に入るのが、あの死にかけた時に出来た深い傷。
この傷跡だけはどうも消えないらしい。








悟「傷、痛む？」


「ん？もう大丈夫だよ」


悟「そっか」









首元に顔を埋める。
…A、いつものシャンプーと匂いが違うのはどうしてかな。








悟「恵と何してたの？」


「え？！」


悟「恵と、何してた？」


「何…もしてない」


悟「A、昔から嘘つくの下手なの知ってる？」


「…」


悟「声が震える時点でもうバレバレだからね」


「…恵とは、その、」


悟「あえて言わなくていいよ。分かってるから」







首元に思い切り噛み付く。
血がじわりと染みるぐらいに。








「…痛っ！」


悟「僕のAに手を出すなんて、ほんと命知らずだよね、恵」


「…っ、わたしが悪いの、」


悟「そうだね」


「ごめんなさ…」


悟「謝らなくていいよ。恵とナニしてこようがどうなろうが、僕は君を手放すことはないし、恵にどうこうしようとも思わない」


「悟、」


悟「僕の元に帰るならそれでいいよ」









心広いなー僕ってば。

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