着信拒否 ページ4
本来ならこんな筈じゃ無かった。
普通の高校通って普通に友達とバカやってイベント楽しんで可愛い恋人作ったら放課後デートはスタバ行って二人で苦難苦節を乗り越えた暁に一生君を守り続けると天に誓ってプロポーズし両親に孫の顔を見せ幸せな家庭を持って死ぬまでの人生設計もばっちりシミュレーションしていたのに。
なのに何故だ。俺は何故こんなところで訳わからん業を駆使して訳わからん異形物相手に学生生活消耗しているのだ。純情な精神で入学しワークとか知らん。と言うか伏黒が野郎だった事は本気で許さない。
『とか言って、俺が前編み出した術式の命名を散々馬鹿にされて暫く発動しなかったら展開の仕方忘れて使えなくなったのお前ら三人のせいだかんな』
「屁理屈もいいとこだろ……。術式自体は五条先生にも高い評価得たんだから磨けば良かったのに」
「そーそー。それにツッコまざるを得ない命名だったし。なんなら釘崎が一番馬鹿にしてたし」
『そうなんだよあの女ッ……!!』
奥歯を食い縛り机に拳を打ち付けるが派手に振動したのは空気中の振りの動作だけで、打ち付けると言うより軽く拳を乗せただけ。なので痛みが伴う心配も無ければ家計簿をつける伏黒にも何ら被害をもたらさない。
「そういや釘崎まだ見てねーな」
『ああ〜〜それフラグ〜〜!絶対今から来るって相場が決まってるやつ〜〜』
「何だよ急に」
俺は一つ懸念している事がある。それはクラスの紅一点・釘崎野薔薇に目を付けられパシリの名目の元連絡を受ける事だ。中身はこの上なくどうだっていい内容。肉まん買って来いだとかペンのインク切れたから買い足しておけとか、ストック無いからドラックストアでストッキング買っておけとか。俺はお前と財布を共にした覚えは無いし最後に関しては店の店員さんにどんな目で見られてるか知らないだろう。
そんな横暴が許されるほど世は甘くないと教えてやりたいが釘崎に高説垂れる強気なメンタルスタンバイしてない。正直彼女の逆鱗に触れる行為は死に直結する。
そんな救いようの無い想いで瞳を閉じればタイミングを見計らった様に脳天を激しく揺らすこの世の終わりをインスパイアした警鐘が俺のポケットで震えて三人は青ざめる。
因みに一番震えたのは俺だった。
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作者名:ぴぴぴ | 作成日時:2021年3月7日 15時