自分についた嘘はいずれ自分に返ってくる（夏油） ページ7
医務室に辿り着いた時には、Aに意識はなく、その顔からは血の気が引いていた。
青白くなったその顔に私の血の気も引く。
医務室でAの状態を確認した硝子も焦ったような表情を見せた。
硝子がそんな表情をするのを見たのは初めてだった。
私もそれに焦りを覚える。
「血が、足りない……」
硝子がぼそりと呟いたのはそんな言葉だった。
Aの傷は全て治っている。だが、顔は血色が悪く、青白いままだった。
「っじゃあすぐに輸血を、」
「血液型もわからないし、分かったところでAはこっちの人間じゃない。下手に輸血をすると、それが原因で命を落とすこともある」
「そんな…………」
そんなリスクを負いながらAはいつもこっちの世界で前線を走っていたのか。
一般人の、Aが。
そんなことにすら気が付かなかった自分に、嫌気がさした。
「じゃあっ…………Aは……」
「…………あとは、A自身に託すしかない」
浅い呼吸を繰り返すAの頬に触れた。それは恐ろしく冷たく、私は思わず、すぐに手を引っ込めた。
私の頭も、体も、目の前にある現実を受け止めることを拒んだ。
がらっと雑な音を立てて医務室の扉が開いた。
そこにいたのは悟だった。
かっと見開かれた瞳で見つめるその先には、ベッドに横たわったAがいた。
五条、と硝子が呟く。その目は見開かれていて、驚いたように悟を見ていた。
「…………Aは」
静かに呟いた悟に硝子がさっき私にしたのと同じ説明を悟にした。
それを表情ひとつ変えず、悟は聞いていた。
そして、Aを見つめて動かなくなった。
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フルーツパンチ侍(プロフ) - きょきょさん» ありがとうございます(^ ^) これから最終章に向けて主人公サンの事が明らかになったり、ちょっとシリアスになっていきますが、主人公サンが必死で食い止めるみたいなので応援してあげて下さい┏○ (9月28日 21時) (
レス) id: 7959978e00 (このIDを非表示/違反報告)
きょきょ - この作品すごく大好きです！更新楽しみにしてます！ (9月27日 20時) (レス) @page14 id: c9d0d6f436 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フルーツパンチ侍 | 作成日時：2023年9月23日 11時
