第三者から言われることは心に残る（夏油） ページ35
今年も私達はクリスマスも年越しもAと過ごした。
いつの間にか集まらなくなっていたAの部屋で、4人が集まり、Aの年越しそばを食べながら年を越した。
今年もAは、あけましておめでとう、しか言ってくれなかった。
去年もそうだったが、今年もAはここにいる。来年もこうして新年を4人で迎えられる。そう信じている。
あれからAは任務担当になったら、任務は私についてきて、任務後には必ず、寄り道をするようになった。
しかも決まった店にだ。
昔連れ回されていたところは、下見ばっかりの場所だったのにそこはそうでもないらしい。
「マスタぁー。いつもの」
「はいはい。ブラックコーヒーのホットとコーヒーゼリーホイップなしね」
「わかってるぅ。さすがマスター」
私を最初に連れてきた時からこんな調子だった。
そのカフェはとても落ち着いた雰囲気で、カフェのマスターも、人が良さそうな顔をしたおじいさんだった。
椅子も何時間でも座っていられそうなくらい座りやすい。
店内にかすかに流れるクラッシックとジャズ調の音楽が、またよかった。
店の場所も少し分かりづらい場所にあるため、客も常連がちらほらと言う様子だ。
店の全てが綺麗に調和して、完璧と言えるほどの雰囲気だった。
「ここ、誰も連れてきたことなかったんだよ」
向かいの椅子に座るAは背もたれに背を預けながら、目を閉じていた。
店内の音楽を聴いているのだろうか。トントン、と机の下でリズムを刻む音が聞こえる。
「傑が、初めてだ」
ゆっくり目を開けてうっすらと笑みを浮かべながら、私をその瞳に映したAは、やけに艶かしく見えて、私は目を逸らしてしまった。
そのカフェのコーヒーは美味しかった。
Aにゴリ押しされて、食べたコーヒーゼリーも、とても美味しかった。
私もコーヒーゼリーが好きになってしまいそうだ。
「はい、あーん」
食べさせられた時はとても恥ずかしかったが。
マスターの方を見ると微笑ましそうに見られていたのが見えた。
それにまた恥ずかしくなった。
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フルーツパンチ侍(プロフ) - きょきょさん» ありがとうございます(^ ^) これから最終章に向けて主人公サンの事が明らかになったり、ちょっとシリアスになっていきますが、主人公サンが必死で食い止めるみたいなので応援してあげて下さい┏○ (9月28日 21時) (
レス) id: 7959978e00 (このIDを非表示/違反報告)
きょきょ - この作品すごく大好きです！更新楽しみにしてます！ (9月27日 20時) (レス) @page14 id: c9d0d6f436 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フルーツパンチ侍 | 作成日時：2023年9月23日 11時
