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私達は囲まれていた。
Aは低級呪霊の群れを、私は出てきた一級呪霊を相手した。
お互いに背中を預け、呪霊を蹴散らした。

「っはは…………背中を預けられる奴がいるって、やっぱりいいな」
「……そうだね」

呪霊を狩るAの目はギラギラと輝いていた。

戦うAはいつもそうだ。
目の前の相手とを通して何かを見ている。別の何かと戦っているように見える。

少し前まで、私の背中には悟がいた。
だが、私は突然1人になった。それなのに、そこに今はAがいる。
私は1人じゃないと、思えた。

一級呪霊をこてんぱんにした頃には、Aも、低級呪霊を殲滅していた。
少し残しておいて貰えばよかったな。

私はその一級呪霊を手のひらに吸い寄せる。
そして、上を向いてその黒が渦巻く物体を取り込もうとした。

「ちょちょちょ、何やってんの??何してんの??どっから出てきたのそれ??食うのそれ??いつの間に3分クッキングしたの??」

Aに腕を引かれ、取り込めなかった。
Aは黒いその塊を見て、質問攻めをしてきた。

そういえばAがいる時は、いつもAが呪霊をギッタギタにするから、取り込めてなかったなと思い出す。

「……A、私は呪霊を召喚するだろう?いつもこうして呪霊を取り込んでるから召喚出来るんだよ」
「え、呪霊?は?その妙姐が作ったダークマターみたいなやつが?」
「ダークマター……」

ダークマターって作れるものなのか。

Aが私の腕を引っ張り、それを眉間に皺を寄せながら至近距離で見つめる。
Aは苦々しい過去を思い出すような顔を浮かべている。
何があったというのだろうか。

「……もういいかい?」
「それ飲み込むのか?」
「そうだよ」
「…………でかくね?」
「え?」

呪霊玉を改めて見てみる。
言われてみればそうなのかもしれない。今まで考えたこともなかった。

「私には絶対無理だわー。錠剤嫌いだもん。おくす◯飲めたねがねぇと飲めん」
「おくす◯飲めたね…………」

Aの新たな一面をここで知った。
おくす◯飲めたね、って。何歳児なんだこの人は。

「喉詰まらせんなよ?ここ電波届かねぇから。救急車呼ぶにも、救急車ァー!!って叫ぶしかねぇから」
「詰まらせないよ。……しかも絶対呼べないよねそれ」

私は飲み込む機会を失う前に、それを飲み込んだ。

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フルーツパンチ侍(プロフ) - きょきょさん» ありがとうございます(^ ^) これから最終章に向けて主人公サンの事が明らかになったり、ちょっとシリアスになっていきますが、主人公サンが必死で食い止めるみたいなので応援してあげて下さい┏○ (9月28日 21時) (レス) id: 7959978e00 (このIDを非表示/違反報告)
きょきょ - この作品すごく大好きです!更新楽しみにしてます! (9月27日 20時) (レス) @page14 id: c9d0d6f436 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:フルーツパンチ侍 | 作成日時:2023年9月23日 11時

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