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というか、16歳の年頃の男子に同級生の同性でもないのに、どんなAV見てるか聞いてくるか?普通。
いや、Aは普通じゃなかった。

「なんだよー教えろよー」
「…………年上の、いじめてくる人に復讐する系」

車内がシーンと静まり返った。Aはどんな反応をしているのか。
私は少し気になって、運転席に座るAを横目で見た。

「傑…………やめといた方がいいと思うぞ?そういう女は、ロクのがいねぇ」

私の肩に手を置いて、眉間に皺を寄せてAは真剣な表情で私に言ってくる。
Aがそれを言うのか。

任務先で私が向かおうとすると、Aも車を降りてきた。
そしてトランクから呪具を取り出した。

「……ちょっと待って。一緒に来るつもりなのか」
「なんだよ。行っちゃ悪いか」
「悪いかって…………Aは普通行くこと自体ダメだし」
「固い事言うなよ〜。一年坊にも付き添ってるし、傑たちとも行ってたじゃねぇか今まで〜」

ふらふらと私の制止も聞かずに行こうとするAの腕を掴んで止めた。
一年の2人と私の任務とでは、訳が違う。
それに、もう私は、Aに危険な目に遭って欲しくないのだ。

「……ダメだ。車で待ってて」
「そんな疲れた顔ぶら下げてる奴、1人で行かせられるか」

Aは私がAを掴んだその手を掴み返してきた。
その黄色の瞳には全て見透かされているような気分になる。

私はその目から逃げるように目を逸らした。

「…………もう、Aを危険な目に遭わせたくないんだ」

地面を見つめながら私はAに本心を吐露した。
私が守り切れると言う保証はない。何が起こるかわからない。

あの頃の私達は最強なんだと、思っていた。
なんでもできるのだと、過信していた。

「大丈夫だ。傑が守ってくれるんだろ」

その言葉はあまりにもまっすぐで、私への信頼に満ち溢れていて、私は思わず目線を上げた。
Aは不敵な笑みを浮かべていた。

全く、この人は……。

優しくて、まっすぐなこの人に、私はずぶずぶとおちていく。

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フルーツパンチ侍(プロフ) - きょきょさん» ありがとうございます(^ ^) これから最終章に向けて主人公サンの事が明らかになったり、ちょっとシリアスになっていきますが、主人公サンが必死で食い止めるみたいなので応援してあげて下さい┏○ (9月28日 21時) (レス) id: 7959978e00 (このIDを非表示/違反報告)
きょきょ - この作品すごく大好きです!更新楽しみにしてます! (9月27日 20時) (レス) @page14 id: c9d0d6f436 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:フルーツパンチ侍 | 作成日時:2023年9月23日 11時

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