謎と事件は突然に ページ3
悟と傑が大掛かりな任務につかされたと、傑から聞いた。
何やら、少女の護衛がどうとか、詳しく話されたが、よくわからなかった。
わかったのは、突然命を狙われることになった少女を守り、命を奪われることはなくとも、どちらにせよ死を迎えることになる、ということだけだった。
胸くそ悪い任務だな、というのが第一印象だ。
その任務は送迎もないらしいので、私には一切関係がなさそうだ。
その任務があった日から、私はその2人の姿を高専で見かけなかった。
一年坊2人が沖縄に派遣されて初めて、あいつら2人が沖縄まで任務で行っていることがわかった。
一年坊になんとかしてついて行けばよかったかなーと後から後悔しても遅い。
お土産よろしくー、と建人と雄の携帯に送りつけて、私は相変わらず怠惰な勤務生活を送っていた。
2人が少女を連れて帰ってくるという日に、私はだらだらデスクワークをやっていた。
デスクワークは嫌いだ。
だから大体こう言ったものは土方さんに押し付けて、私はいつも外でぶらぶらしていた。
この職場は、私がだるそうにしていれば勝手に書類を持っていってくれる親切な人ばかりいることで、大変助かっている。
夜蛾さんにはAの仕事を取っていくんじゃない、と怒られていたが、それでもだるそうにしていると、目を盗んでは取っていってくれる親切な同僚には感謝しかない。
デスクワークに飽きて、腰も痛くなってきた頃に私は息抜きに外をふらつきに出た。
そして、
血溜まりの中にいる悟を発見した。
「さと、る…………?おい……悟…………返事……しろ、よ…………」
体が八つ裂きにされ、血が大量に出ている。
悟からは返事もない。脈も感じられなかった。
助かる見込みは絶望的、それは一目瞭然だった。
チート級の最強じゃなかったのかよ、なぁ…………。なんでこんなやられてんだよ…………!
硝子に連絡して応急処置を頼むべきか、と携帯を取り出したところで、もう一つの重要な事を思い出した。
傑は…………?
こいつらは、護衛か何かの任務中だったはずだ。
傑は、その任務をまだ遂行中なのかも知れない。
私は辺りを見回した。鳥居があり、そこから真っ直ぐに道が続く先に何かの建物があった。
辺りは全壊、いくあてとしたらそこぐらいしかなかった。
私は手でそっと悟の目を閉じて、携帯を片手に、その建物に駆け込んだ。
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フルーツパンチ侍(プロフ) - きょきょさん» ありがとうございます(^ ^) これから最終章に向けて主人公サンの事が明らかになったり、ちょっとシリアスになっていきますが、主人公サンが必死で食い止めるみたいなので応援してあげて下さい┏○ (9月28日 21時) (レス) id: 7959978e00 (このIDを非表示/違反報告)
きょきょ - この作品すごく大好きです!更新楽しみにしてます! (9月27日 20時) (レス) @page14 id: c9d0d6f436 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:フルーツパンチ侍 | 作成日時:2023年9月23日 11時