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「久しぶりやな〜悟くん。元気してた?」
「あぁ?」
馴れ馴れしく俺の名前を呼ぶ訛り口調の声が聞こえてきて、俺は振り返った。
世の中全てを舐め腐ったような顔をしているそいつには確かに見覚えがあった。
…………誰だっけ。
「その顔、まさか忘れたとか言わんよな?悲しいわー。御三家同士なかよぅしてたのに」
「あー、禅院のとこの……」
そこまで言われて思い出した。
そういやこいつは禅院家のクソ生意気なガキだった。
いちいち俺に引っ付いてくるから嫌いだったんだよなー。
「そうそう!禅院直哉!また会えて嬉しいわー」
そいつは石造の階段に座っている俺の隣に腰掛けてきた。
にこにこと機嫌の良さそうな笑顔を俺に向けている。
「いち、にー、さん、しー、ごー、ろく…………おかしいなぁ、東京校から参加すんのは5人って聞いてたんやけど」
直哉がひとりひとり指差しながら数え、首を傾げている中、誰も何も言わなかった。
そのおかしい原因である本人は全く気にも留めずジャン部を読んでいる。
こいつ、よくこの状況でジャン部読み続けられるな。
まぁええわ、と直哉は傑に顔を向けた。
「君が悟くんと2人で最強とか言われてた夏油傑くん?」
「…………まぁ、うん……」
こいつは一個下のくせに傑にタメ口なうえに上から目線だ。
傑はシメるんじゃないかと思っていたが、苦笑いをこぼすだけだった。
「呪霊操術やったっけ?なかなかええ術式持ってるなぁ」
直哉は俺の反対の隣に座る傑の背中をバシッと叩いた。
ナメてんな。傑が怒らないのが不思議だ。
「君らが同期の七海くんと灰原くんか」
「うん!よろしく!!」
ふーん、と直哉は興味無さそうに呟いて硝子に目を移した。
「べっぴんさんやな。胸もなかなか。君、名前なんて言うの?」
「おい。お前なに私の硝子ナンパしてんだ」
「お前のじゃねぇだろ」
今まで黙っていたAが突然話し出した。
直哉が身を前にしてAを覗き込んだ。空気が少しピリつく。
「お前や、誰やねん。顔はええな。胸もでかいし、悪ない」
傑がAを自分に引き寄せた。直哉に向ける目が鋭い気がする。
直哉は俺も認めるクズだ。
見た目だけはピカイチともいえるAが、直哉に興味を持たれることは有り得ることだ。
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フルーツパンチ侍(プロフ) - きょきょさん» ありがとうございます(^ ^) これから最終章に向けて主人公サンの事が明らかになったり、ちょっとシリアスになっていきますが、主人公サンが必死で食い止めるみたいなので応援してあげて下さい┏○ (9月28日 21時) (レス) id: 7959978e00 (このIDを非表示/違反報告)
きょきょ - この作品すごく大好きです!更新楽しみにしてます! (9月27日 20時) (レス) @page14 id: c9d0d6f436 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:フルーツパンチ侍 | 作成日時:2023年9月23日 11時