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悟がAに懐いていたのは前からだ。
わかっていたし、前から悟と触れ合っているのも見てきたのに、今回は見ていられなかった。
Aは復帰したというのに、私がAと会う機会は本当に少なくなった。
Aが私達の自習の時間に来ることもなくなり、私の任務に付く補佐監督もAではなかった。
だが、体術の稽古だけはAが必ず来た。
しかし、その時間でさえ、Aは悟や灰原に引っ張りだこで、私はAとゆっくり話す機会すらなかった。
Aも前のことがあったからか、悟には特につきっきりで体術を叩き込んでいたりもした。
「ちがぁーう!!!やり直し!!!」
「何が違うんだよ!!!」
「Aさん……厳しい…………」
地べたでAにボコボコにされた悟と灰原が転がっていた。
「Aさん。私も指導、お願いします」
「建人は熱心だな……!素晴らしい!お前らも建人を少しぐらい見習え!!」
「Aは俺への扱いと、1年への扱い違いすぎるんだよ!!」
「それはお前がクソガキだからだろ!!傑もだ!!ぼーっと見てねぇで来い!!扱き直すっつったろ!!」
「……本当にAは私達には厳しいな」
だが、Aは絶対私を放ったらかしににはしなかった。
いつも私のことも、ちゃんと見ている。
それが、本当にずるい。
久々に任務の担当の補佐監督がAになった。
嬉しい半面、複雑な気持ちが私の胸で混ざり、ぐちゃぐちゃになっていた。
「傑、最近あんまゆっくり話せてなかったが、何かあったか?」
「……いや、特に変わりはないよ」
「……あっそ。傑、この後付き合え。2人で飲みに行こうぜ。酒がうめぇって、気になる店があるんだよ」
そんなことを言うから、Aの気持ちはわかっているはずなのに、私は少し、ほんの少し、期待してしまうんだ。
芽というものは意外としぶとい(五条)→←優しさは気を持たせることもある(夏油)
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フルーツパンチ侍(プロフ) - きょきょさん» ありがとうございます(^ ^) これから最終章に向けて主人公サンの事が明らかになったり、ちょっとシリアスになっていきますが、主人公サンが必死で食い止めるみたいなので応援してあげて下さい┏○ (9月28日 21時) (レス) id: 7959978e00 (このIDを非表示/違反報告)
きょきょ - この作品すごく大好きです!更新楽しみにしてます! (9月27日 20時) (レス) @page14 id: c9d0d6f436 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:フルーツパンチ侍 | 作成日時:2023年9月23日 11時