24話 ページ25
部屋から替えのマフラーを取って首に巻く
兄さんのは赤いマフラーだったけど、これは灰色
「やっぱ、兄さんのが一番だな」
ドタドタ
なんか、すごい音が聞こえてくるな、、、、
「ちょっと、A!早く来なさい!入るわよ!風呂」
ん?風呂?
野薔薇は私の腕を掴んで、歩き出す
「いや、お風呂は一人で入るから」
「アンタ、毎回それじゃない!」
まあ、見られたくはないからな、あれ
「多分、私と入ったら後悔するから、、、、」
背中や首の傷は見苦しい
「はあ⁉そんなの思うわけないでしょ。それにA、オシャレも全然しないんだもの。もっと可愛くしないと」
「待って〜野薔薇〜〜」
振りほどけたのだろうが、私はそのまま野薔薇に連行されていった
脱衣所にて
「ほら、脱がずにどうやって風呂に入んのよ!」
「いや、なんで真希さんもいるの。聞いてない」
「二人だけとは言ってないわよ」
それはそうだが、、、
「おい、野薔薇。入んぞ。Aもさっさと脱いで入って来いよ。じゃないと明日からの訓練無しにすんぞ」
ま、真希さん、、、、拒否権はない、か
訓練なくなるのは嫌だし
「ふぅ」
覚悟を決めろ、私
この際どう思われたっていいじゃない
「よし」
勢いよく先ほどつけたマフラーを外す
次に、手袋、コート。
と脱いでいけば、傷跡が露わになる
鏡の前に立ってみれば、以上だとすぐに分かる
首から足までびっしりとある古傷
太腿にくっきりと刻まれた、十の字の傷
背中には煙草を押し付けられたときに出来た火傷が残っているだろう
ほとんどが、親たちにやられた後放置して作られたものだ
野薔薇の隣のシャワー室に入り、身体を洗う
隣からもシャワーの音が聞こえてくるのは新鮮だ
湯船につかる
野薔薇と真希さんは先に向かっているようだ
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作者名:デカプリン | 作成日時:2021年11月12日 23時