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夏油くんの顔を見られない。
自分の赤くなった顔を見られたくないのもそうだし、恥ずかしいし、どうしたらいいのか分からない。
頭が昨日より混乱していた。ぐるぐるぐるぐる、色んな思考が巡って倒れてしまいそうだった。
でも、夏油くんがこう言ってくるってことは。
昨日の言葉は本当、なの、かな。
「本当だよ」
まるで私の心を読んだみたいなその言葉に、私は少し驚く。
「昨日君が聞いた通り、私はAのことが好きだよ」
確信に変わって、確信に変わらざるを得なくて、心臓がドクン、と大きく鳴った。
夏油くんが、私のことを好き。
「こんな形で言うつもりは、なかったんだけど」
そっと、視線を夏油くんに持っていく。
「昨日君が眠っているのを見ていたら、なんでか、言いたくなってしまってね」
困ったような、どうしようもないな、というような。
ふにゃ、とした、柔らかい笑顔。
見たことがない、昨日の声と同じくらい甘いその表情に、ぎゅう、と心臓が音をたてた。
涙が目に滲みそうなくらいに、彼のその表情が愛おしかった。
どうすればいいんだろう。
こういうとき、どうしたらいいのか、私には分からない。
ただ、ただ、心臓が痛くて。
好きだな、大好きだなって、思うばかりで。
感情が溢れ返る。
「……ずるいよ」
真っ赤になっているだろう顔を見られたくなくて、彼に背を向けた。
「げとうくんずるい」
違う、私の方がずるい。
夏油くんはちゃんと素直に私に気持ちを伝えてくれるのに。
私は、恥ずかしくて、上手く出来なくて、こうやって逃げようとしてしまう。
でもだって、仕方がないじゃないか。
夏油くんが愛おしくて、堪らなくて。
それに、
「A」
その声に、呼ばれたくて仕方がない。
「顔、見たいのだけれど」
「やです」
「おねがい」
ずるい、やっぱりずるいんだ。夏油くんは。
恐る恐る、泣きそうになりながら振り向くと、その先には溶けそうなくらい嬉しそうにしている夏油くんの姿があって。
「………私も、夏油くんが好き」
です、と呟くと、夏油くんは「うん」とひとつ頷いて、私の手を取り、引き寄せて、抱き締めた。
「大好きだよ」
「……恥ずかしくて死ぬ」
「死なないで、私、今が一番幸せなんだから」
ぎゅう、と抱き締められて。
私は震える手で抱き締め返して。
「私も」
やっとの思いでそう言った。
「でも居眠りはもうしないようにね。可愛い寝顔を見せるのは私の前だけにして」
「ひぇ……やめてぇ」
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徳永(プロフ) - 戻ってきてくれて嬉しいです‥！！相変わらず最高です (10月27日 16時) (
レス) id: 011262e667 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ピピコ
| 作成日時：2023年9月27日 17時
