月に叢雲、花に風【呪術廻戦/五条悟】 (ページ2)

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０１第1章-満月の夜に- ページ2

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パチリ

部屋のデジタル時計は午前6時過ぎを示している。
爽やかな風が窓から吹き込んできた。

｢またか｣

この夢を見たあとは、いつも目元が濡れているのだ。大の大人が情けないなと自嘲する。

窓の外から鳥の囀りが聞こえた。
今の自分の状況と裏腹なその長閑(のどか)さに思わず失笑が漏れる。

｢世界は今日も平和ってか｣

そんな五条の冗談は、
聞き人がいないこの部屋に寂しげに溶けていった。

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今日は珍しく任務がない。要するにオフというやつだ。
こういう日、五条には必ず行く場所があった。
出かける準備が整うと、テーブルに乗っているある(･･)ものをジャケットの内ポケットに仕舞い込む。

部屋の扉を開けると廊下の先に自分の生徒を発見した。
向こうもこちらに気づいて走ってくる。

｢先生！おはよ！｣
｢おはよう、早いね悠仁｣

五条がそう言うと、
｢あー、釘崎が買い物付き合えってうるさいから逃げてきた｣
困ったように苦笑いをしてそう言った生徒もとい虎杖悠仁。

｢なるほどね｣
｢先生は？どっか行くの？｣

｢ちょっとね…一緒に来る？｣

｢え！いいの？行く行く！｣
｢って言っても楽しいとこじゃないから期待はしないでね｣

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小話
五条がいる部屋は呪術高専にある寮の五条の部屋です。マンションの部屋も持ってるけど、帰るのがめんどくさかった時とかに寮で寝泊まりしてます。
寮の教師専用の部屋はベランダもついてます。いいな。