18-1:泣き虫とてるてる坊主 ページ39
*
目が覚めるとそこは見慣れた医務室のベッドの上。
夢から覚めても夢の中にいる気分。
頭の中がふわふわしてて、現実味がなくて、例えるなら絶望たっぷりの悪夢。
「あ、起きた?おはよ。身体に異常は?」
『硝子おはよ。まだ怠さが抜け切ってないけど私どれくらい寝てた?』
よっこらせ、と鉛のように重い身体を起こすと頭がズキリと痛み思わず頭を抑える。
「1週間ぐらい。頭痛いなら頭痛薬のんどきな。」
『ありがと。』
たった1週間。どうせならもっと寝ていたかった。なんて漏らせば硝子に「はぁ。」とため息をつかれてしまう。
『夏油は無事?』
「凄い怪我してたけど治療して今は元気。」
『そっか。』
彼が助かったのがせめてもの救い。
「あんたがこれ以上寝てたら殺されてたから目覚めてくれて良かったわ。」
『起きたばっかりで状況掴めてないけど殺害予告でも来てたの?』
「五条がね、A抱えて来たときはいつもの事かと思ったけど全然目覚まさないから1週間経ってもそのままなら殺して強制的に起こすって大暴れしてた。」
暴れた事はさておき私の事ここまで運んできてくれたのか、お礼言っと……待って、今五条つった?
『……五条?どの五条?なんて言った?今なんて?』
「どのって1人しかいないでしょ。Aが大好きな五条悟だよ。」
『悟様生きてるの?』
「あいつ反転術式使えるようになったんだって、それで助かったみたい。」
生きてたんだ。嘘には聞こえないし、まさかこれ都合のいい夢だったりする?
「信じられないならその目で見て確かめな。五条ってば授業と任務がない時間はずっとそばにいたんだよ、あんた愛されてんね。」
これも夢か、失ったものが大きすぎて脳が勘違いしてるんじゃないかと不安になる。
「もう来るんじゃない?」と硝子が医務室の扉に視線を向けた矢先、駆け込んできた2人の最強。
「お前っ、俺がどれだけ心配したと思ってんだ!!」
『おわっ…え、本物?』
目が合うなり凄い勢いで抱き締められて背中が仰け反る。
「本物だ馬鹿野郎。」
この匂いも、声も、本物の悟様だ。
夢じゃない、幻覚でもない、紛れもない現実。
『私がどれだけ!!しんっ…ぱい、したと!絶望した…と思って、るんですか!!』
溢れ出した涙はもう止まらない。
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雪【α】 - ハピエンとバットエンド希望です。この小説ドキドキして面白い! (2021年5月21日 2時) (レス) id: f978c7a4e5 (このIDを非表示/違反報告)
茶封筒 - 両方見たいです!!!!!このお話大好きなのでお願いします!!!! (2020年12月21日 17時) (レス) id: 9a32fa7e9b (このIDを非表示/違反報告)
アホの化身 - ハピエン希望めっちゃおる(°□°) (2020年12月21日 15時) (レス) id: 62410cc231 (このIDを非表示/違反報告)
Momo(プロフ) - いつも楽しく拝読させていただいてます...!ハピエン希望です!!!!! (2020年12月20日 22時) (レス) id: 651bcbd47b (このIDを非表示/違反報告)
ミシェル(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます!!ハッピーエンド希望です!!! (2020年12月19日 16時) (レス) id: d1d8a7d57d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しかく。 | 作成日時:2020年12月9日 2時