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17-3 ページ37

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『うそ、嘘でしょ?』




身体を揺すっても目を開けたままピクリとも動かなくなってしまった理子ちゃん。

握っていた両手は力なくダランと重力に逆らうこと無く地面に落ちた。




ほんの数秒前まで、笑っていたのに。

彼女は帰るって、私は守るって言ったのに。


何も出来なかった。




「ハイお疲れ、解散解散。」


「なんで、お前がここにいる。」


「なんでって……あぁ、そういう意味ね。」

徐々に体温を失っていく理子ちゃんの手を握る自分の手が震えている。




「五条悟は俺が殺した。」


『そんなわけない。』


「残念ながら俺が滅多刺しにして殺しちまったわ。」




心のどこかで否定していたそれは1人の男の言葉によって呆気なく崩れる。




悟様が死んだ。

その事実は私を絶望させるには十分すぎた。




『あんたみたいな何処ぞのの馬の骨かも分かんない奴に殺されるぐらいなら……私が、私が殺しておけばよかったッ!!』

私なら綺麗な状態で葬れた。なのにこいつは、悟様を夏油の呪霊達みたいにぐっちゃぐちゃにして……。




絶対に許してやんない。許してやるものか。

理子ちゃんがこれ以上傷つかぬようにそっと彼らの死角となる壁の近くに横たえて上着を掛ける。




男は口を閉じること無く延々と話し続けた。

ここへ辿り着いた方法。自身の能力について。




「もういい。」




呪力がないのなら彼はきっと天与呪縛の持ち主。

情報の開示をして能力を底上げになることは知っている。


今はそんなこと聞いちゃいないし心底どうでもいい。




「何故ここが分かった。」


「人間が残す痕跡は残穢だけじゃない。五感も呪縛で底上げされてんだよ。」


『来る途中に居た女の人は。』


「多分死んでる。」


「そうか、やはりオマエは死ね。」




私の術式で夏油と夏油の呪霊の動きを速め、援護しつつ彼の行動を予測し、1発、2発、と上から重力で畳み掛ける。




傷を負わせることが出来てもどれも致命傷にはならない。

俊敏に交わされ呪力だけが一方的に無くなっていく苛立ちで頭がグチャグチャになる。


私に底なしの呪力があれば、もっと回転する頭があれば、領域展開を修得していれば。

疲労で身体の動きが、判断が鈍る。そろそろダメだ。




「女を痛めつける趣味は生憎持ち合わせてないからな。楽に殺してやるよ。」





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雪【α】 - ハピエンとバットエンド希望です。この小説ドキドキして面白い! (2021年5月21日 2時) (レス) id: f978c7a4e5 (このIDを非表示/違反報告)
茶封筒 - 両方見たいです!!!!!このお話大好きなのでお願いします!!!! (2020年12月21日 17時) (レス) id: 9a32fa7e9b (このIDを非表示/違反報告)
アホの化身 - ハピエン希望めっちゃおる(°□°) (2020年12月21日 15時) (レス) id: 62410cc231 (このIDを非表示/違反報告)
Momo(プロフ) - いつも楽しく拝読させていただいてます...!ハピエン希望です!!!!! (2020年12月20日 22時) (レス) id: 651bcbd47b (このIDを非表示/違反報告)
ミシェル(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます!!ハッピーエンド希望です!!! (2020年12月19日 16時) (レス) id: d1d8a7d57d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しかく。 | 作成日時:2020年12月9日 2時

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