13-1:海に溺れたベニクラゲ ページ27
*
「きっしょ、うじゃうじゃいる。」
「人を虫みたいに言うんじゃないよ。」
今日は4人で海にやってきた。
ジリジリと照りつける太陽。
夏の暑さがまだ残る秋分の季節は私には合ってないみたいで大変すごしにくい。
そんな暑くてすごしにくい中、本当なら涼しい部屋にこもっていたかったけれど悟様が「海行ったことない。」なんて言うもんだから断れなかった。
「初めての海はどうだい?」
「思ったより普通。」
可愛くないやつ。もっとはしゃいでもいいのに。
『久々に来たけど綺麗だなぁ。』
「俺の目の方が綺麗だろ。」
「あんたそういうとこあるよね。」
「事実だろ。」
「うっわ。」
この人は海相手に何張りはってんだ。
悟様が会話に入ってきたことで硝子はゴミを見るような目で彼を見てたし、それを見ていた夏油は失笑。
それからも私が綺麗と言った空や砂浜の貝殻に片っ端からこれでもかってぐらいマウント取りにいってた悟様。
モノ相手にマウント取って悲しくならないんだろうか。
『マウント取らないと死ぬ病気にでもかかってんですか。』
呆れから来る笑いなのか分からないけれど兎に角笑いが止まらなかった。
「五条が何人ナンパされるか賭ける?」
『えー、砂糖に群がる蟻みたいにいっぱい寄ってきそう。』
コソコソ話をしていても地獄耳の悟様には聞こえてしまったみたいで脳天に拳骨が降ってきた。
「私は飲み物を買ってくるから先に遊んでおいで。」
喧嘩はしちゃダメだからね、と私達にそう声をかける夏油の顔は親の顔そのもので懐かしさを感じた。
『悟様、日焼け止め塗ってください。』
「はぁ!?男に日焼け止め塗らすとか貞操概念どーなってんだよ痴女が。」
硝子がタバコ吸うって言ってたから悟様に頼んだだけなのに痴女呼ばわり。
顔真っ赤にしてやっぱ女に耐性ないじゃん。
「お前の身体なんて需要ねーんだよ、これ着て隠してろ。」
私の顔面にパーカー投げつけてそそくさと夏油の後を追いかけていく悟様を見ながら硝子に一言。
『見た?あんなのが女取っかえ引っ変えに出来るわけない。』
女癖が悪いのは勘違いだと頷く私の方をポンっと叩いて硝子は悪戯っ子のような表情で背後を指した。
「残念だけどあれが現実。」
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雪【α】 - ハピエンとバットエンド希望です。この小説ドキドキして面白い! (2021年5月21日 2時) (レス) id: f978c7a4e5 (このIDを非表示/違反報告)
茶封筒 - 両方見たいです!!!!!このお話大好きなのでお願いします!!!! (2020年12月21日 17時) (レス) id: 9a32fa7e9b (このIDを非表示/違反報告)
アホの化身 - ハピエン希望めっちゃおる(°□°) (2020年12月21日 15時) (レス) id: 62410cc231 (このIDを非表示/違反報告)
Momo(プロフ) - いつも楽しく拝読させていただいてます...!ハピエン希望です!!!!! (2020年12月20日 22時) (レス) id: 651bcbd47b (このIDを非表示/違反報告)
ミシェル(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます!!ハッピーエンド希望です!!! (2020年12月19日 16時) (レス) id: d1d8a7d57d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しかく。 | 作成日時:2020年12月9日 2時