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人通りの少ない道をブラブラ歩いて、気になったお店に寄ったり、普段じゃ絶対しない食べ歩きをしていたらあっという間に夕方になっていた。




『平和だなぁ。』


「この状況で平和って言葉が出てくるとかやっぱお前どうかしてる。」


『それほどでも。』

悟様が木っ端微塵にした呪霊を前に気恥ずかしくなって頭をかけば「褒めねぇよ。」と拳が降ってくる。




『ここで暴力振るったら罰当たりますよ。』




行き先を教えてくれない彼の後について20分程歩いて辿り着いた場所は私がまだ悟様のお世話係になって間もない頃、家出した彼を見つけた神社。





「俺の事見つけるなり胸ぐら掴んできたの忘れたとは言わせねぇから。」


『記憶にございません。』

夜通し使用人達と探し回ったあの日、ここで悟様を見つけて怒鳴ったことを思い出す。




「あの時なんでここに来たの?」


『悟様の事はなんでも分かるので。』


「それどんな殺し文句?」

半分呆れながら「まー、俺もお前の事なら大体わかるけど。」とポケットから何かを取りだした悟様。




「やる。」


『風邪でも引きました?らしくないですよ?』

貰い物をくれることは何度かあったけど、明確にプレゼントを渡されるのは朝の服を含めて今日が初めて。




「いーだろ、たまには。」


『開けてもいいですか?』


「どーぞ。」


『わー、ありがとうございます。』




小箱を開けるとブランド物の腕時計が現れる。

アクアブルーの宝石がインデックスの部分に埋め込まれているそれは昼間に悟様の瞳みたい、とショーケース越しに見ていた物だった。




「欲しそうに見てただろ。」


『見てましたけど高すぎますし、第一仕事中は着けられないので勿体なくて受け取れません。』


「これから使う事になるから貰っとけって。要らねぇなら捨ててくるけど。」


『は!?捨てっ?!』

ひょいっと取り上げられ投げ捨てる気満々の悟様から腕時計を奪い返す。




数量限定の腕時計だったから嬉しすぎる。

改めて手のひらに収まる腕時計を見てにやけてしまう。




「顔キモっ。」


『本気で喜んでる人にそれは酷いです。』




4月から悟様と会う機会減ると思うから悟様だと思って大事に持っておくと伝え、早速腕につけてみた。




『あはっ、悟様が腕にくっ付いた。』


「その言い方どうにかしろ。」






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雪【α】 - ハピエンとバットエンド希望です。この小説ドキドキして面白い! (2021年5月21日 2時) (レス) id: f978c7a4e5 (このIDを非表示/違反報告)
茶封筒 - 両方見たいです!!!!!このお話大好きなのでお願いします!!!! (2020年12月21日 17時) (レス) id: 9a32fa7e9b (このIDを非表示/違反報告)
アホの化身 - ハピエン希望めっちゃおる(°□°) (2020年12月21日 15時) (レス) id: 62410cc231 (このIDを非表示/違反報告)
Momo(プロフ) - いつも楽しく拝読させていただいてます...!ハピエン希望です!!!!! (2020年12月20日 22時) (レス) id: 651bcbd47b (このIDを非表示/違反報告)
ミシェル(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます!!ハッピーエンド希望です!!! (2020年12月19日 16時) (レス) id: d1d8a7d57d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しかく。 | 作成日時:2020年12月9日 2時

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