呪術廻戦6【短編集】

言葉一つ【真人】ミイミイー様リクエスト ページ10

悠「A、どったの？」


「ん？携帯落とした」


悠「えー！どこで？」


「さっきんとこかな。探してくる」


悠「俺も行こうか？」


「ううん。悠仁、傷だらけだし先帰ってて」


悠「でも危なくない？暗くなってきたし」


「大丈夫だよ。何かあったらすぐ連絡する」


悠「わかった。気をつけてな」


「うん」





携帯落とすとかありえないよ、自分。
仕方なく探しに行くことになったわけだけど…落としたところが全く見当つかない。





真「探し物はコレ？」


「…っ、！」





聞き覚えのある声。
…あのツギハギ男の真人だ。





真「さっき拾ったんだよね」


「…返してください」


真「んー。どうしよっかなー」


「…」


真「名前、何て言うんだっけ？」


「…浅井、Aだけど」


真「そうそう、A。可愛い名前だよね」


「…」




普通に話してるけど、相手は敵。
油断しちゃいけない。





真「そんなに気を張らなくても大丈夫だよ。襲ったりしないから」


「…何が目的？」


真「何っていうか、君が欲しいんだよね」


「は？」


真「A、言ったじゃん。前にボッコボコにしたときにあんたのこと忘れないって」


「…」


真「あの言葉、僕のこと好きすぎてたまらないってことだよね？」


「え？」


真「だからこの携帯もわざと落としたんでしょ？」


「…何言ってんの、」




私があなたを好き？そんなわけないでしょう。





真「でもさぁ、この待ち受け。気に食わないなー」





私の待ち受けは、恵とのツーショット。
なんでかって？彼氏だから。





真「僕がいながらこんな写真待ち受けにするなんて悪い子」


「だ、だいたい、あなたのこと好きなんて一言も言ってない。勘違いもいい加減にして」


真「勘違い？誰が？」


「あなたが、」


真「どの口が言ってんの？」




あ、やばい…と思った時にはもう真人は背後にいて、がっちり身体に巻きついてきた。




真「僕のこと好きだよねぇ？」


「…」


真「もっかい聞くよ？好きだよね？」





…好きじゃないなんて言ったらたぶん殺されるし、好きだなんて嘘ついても後々いいことはない。
どうしたらいい？どうする？





真「震えてるね、可愛い」


「ひ…っ、」


真「耳、弱いんだ？」




長くて冷たい舌が私の耳を舐める。




真「ほんと可愛いなぁ」


「…やめて、」


真「Aの返答次第かな」


「…」


真「もう一度聞くよ？僕のこと、好きだよね？」

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